ポストロックの名盤10選 洋楽も邦楽もあわせて紹介します

また一度聞くと印象的で忘れられない彼らのバンド名は、なんと日本の映画のタイトルから取られたものだそうです。国境やジャンルを超えての出会いに感謝。シンプルながらイメージのピンと伝わってくるアルバムジャケットも美しいです。ザッピング時代になった今だからこそ、是非聴いていただきたい一枚。なんせ、1時間27分あるのに4曲しかないという、凄まじさに息を飲む構成です。オススメ?もはや全曲です!

Take Care, Take Care, Take Care – Explosions In The Sky

とっつきにくいと思っていたのに、好きになっちゃいそう。

轟音系、というととっつきにくそうなイメージですが、彼らの紡ぎ上げる音には優しさやヒューマニティが溢れています。本作「Take Care Take Care Take Care / Explosions In The Sky」
からはそのクリアなサウンドに乗って、そのバンド名の通り空をも突き抜けていきそうなエモーショナルさと、日常を愛でる気持ちがない交ぜになっている印象を受けます。

そんなこのアルバムのもう一つの見どころは。どう言ったらいいのかよくわかりませんが。なんと、CDの紙ケースを組み立てるとお家になるんです!!外側にも、内側にも描写が描きこまれた、立方体のお家に。そしてその真ん中にCDがちょこんとおさまる入れ物になります。轟音系と言われている、いかつそうな彼らが何でこんなにかわいいCDケースを作っちゃったのでしょう?彼らのことがよりいっそう好きになってしまいそうです。

前作から4年の時が経ち作られたこのアルバムのタイトルの「Take Care」は、「さようなら」の意。そして組み立てられた家の中に収められる音源。想像やイメージは膨らみ尽きませんが、惜別と覚悟と愛しさのようなものが感じられるこのアルバムは、やはり彼らの活動の歴史の中でもマイルストーンになると思います。
愛の込もったキスの嵐を受けるような3曲目「Trembling Hands」、静かなカントリー調のギターから入り、途中でしなやかに起伏し、また静けさに帰っていく4曲目「Be Comfortable, Creature」、そしてそこからクライマックスに向かう5曲目「Postcard From 1952」は、是非聴いていただきたいです。

Car Alarm – The Sea and Cake

この音を通して見ると、日常もそのままで意味のあるものになる

どこかクールなバンドサウンドに、ボサノバのように囁くようなボーカル。とても聴きやすく、どんな場面にも邪魔にならずBGMになる、春風のような優しさと心地よい緊張感のあるドラマチックさ。とはいえ、毒にも薬にもならないかといえばそんなことは全くなく、ふと、自分がここに存在していることの重力だとか、心の中にずっと置いていたままで忘れていた何かが微笑みかけてくるような気分になる。そんな不思議な感覚になる、実は凄まじく実力派なんじゃないか?と思える名盤「CAR ALARM[CD] / ザ・シー・アンド・ケイク」
です。

The Sea and Cakeといえば、2000年に発売された「Oui」もこのバンドの真骨頂を見るような名盤なのですが、それから時を経て2008年に発売されたこのアルバムは、より楽曲の粒立ちや、アルバム全体を貫く心地よいテンポ感、サウンド作りにメリハリが感じられ、個人的には好き1枚です。爽やかな幕開けの1曲目「Aerial」、メジャーコードとマイナーコードが波のさざめきのように入り混じり、織り成す風景の美しい5曲目「Car Alarm」は特にお聴きいただきたいです。

車の中、ゆっくりと過ごしたい休日の朝、何か作業を頑張りたい時、心に何もアイディアが浮かんでこない時、あらゆるシーンで人生の味方になってくれるような、オススメの一枚です。

Young Team – mogwai

グラスゴーのヤングチームが世界的な大御所インストバンドになるまで

今やポストロックシーンの枠を超え、世界的インストバンドとして知られるmogwai。そのはじまりの、デビューアルバムとなったのが本作「Mogwai モグワイ / Young Team 輸入盤 【CD】」
です。もしこれが、外を歩いていて野外で聞こえてこようもんなら、何か大変なことが起こっているのではないか、今すぐ駆けつけて、見逃してはいけないのではないかという気がしてしまいそうな、今聴いても新鮮さとセンセーショナルさに溢れたアルバムです。そうでありながら彼らの音楽には、ああそろそろだ、さあ、行くぞ!と思っているうちにドカーンと盛り上がりが来る、ある種のキャッチーさやポップセンスがあり、それがインストバンドであっても多くの人々に受け入れられる要素としてあると思うのですが、そんな変わらない彼らのセンスもすでに感じられます。

ジャケット写真に採用されたのは、なぜか日本と思われる「富士銀行」とデカデカと書かれた看板のある風景。一体どうしてなんでしょうね?

緩やかな音の流れに身を任せているうちに、一番星を掴みに行くように音の高みに運ばれている1曲目「Yes! I Am a Long Way from Home」、大胆不敵な不穏さから始まり、彼らの代名詞のような轟音の渦の中に叩きつけられるような圧巻の2曲目「Like Herod」、朝日が昇っていく靄の中を、期待を込めて堂々と歩んで行くような10曲目「Mogwai Fear Station」は是非聴いていただきたいです。

the book about my idle plot on a vague anxiety – Toe

1stアルバムにしてすでに最高傑作。日本のポストロックシーンに残る名盤。

このアルバム「the book about my idle plot on a vague anxiety [ toe ]」
は、とにかく1曲目が始まり、全く質感の異なる2曲目に入る流れが、もう最高に格好良いです。これでもう、細胞の裏側までギュッと掴まれてしまうはず。とてもナチュラルでもあり、何回も聴きたくなる心地良さがあるので、まず聴いてみてください。