ポストロックの名盤10選 洋楽も邦楽もあわせて紹介します

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まるで彼らの森林の中に足を踏み入れたような、湿度や奥行き、そこに住まう生き物の気配も聴こえてきそうな、クリアでぬくもりのあるサウンドに、耳から広がり五感が刺激されていきます。ファーストアルバムにしてこの完成度、自分たちとその音楽というものをはっきりと打ち出した、日本のポストロックシーンにおいて金字塔のような名盤です。そして彼らの音の気配が一目で理解できるような、シカのアップのジャケット写真もとても象徴的。

toeを代表する名曲の一つ、2曲目の「孤独の発明」10曲目の「メトロノーム」の後半に突如現れる、原田郁子の声(歌、というより本当に声、という存在感)は必聴です。またこのアルバムにおいて重要な序章である 1.「反逆する風景」の声は、SHAKKAZOMBIのオオスミによるもの。ゲストアーティストの参加の仕方の贅沢さ、彼らの声も音として完全にこの一枚の中に融合しているかのような一体感も、見事です。

目次

sezession – mouse on the keys

確かな宣言を持って世界と向かい合う。コンパクトでいながら完成度の高い一枚。

その曲の構成や叙情的な物語性から、彼らの代表曲の一つであろう 1.「最後の晩餐」。ロシアの作曲家の既存曲を、よりジャジーに大胆に彼ら流にカヴァーした、クールでスタイリッシュな 2.「toccatina」など、4曲入りのEPであるものの、mouse on the keysというこのバンドの魅力が引き出されている、充分な内容になっている1枚
「the flowers of romance [ mouse on the keys ]」
です。

ゲストミュージシャンにサックス奏者の根元潤氏を迎え、音に広がりを増し、緊張感がありつつも生音と電子ピアノの組み合わせが優雅ささえ感じさせる3曲目「RaumKrankheit」からの流れも、迫力があります。1st音源でありながら完成度の高い1枚です。またドラムの川崎昭氏はもともとハードコアの出身だそうで、言われてみれば彼らの楽曲から感じられる美学のどこか確固たるストイックさは、そこに由来するのかもしれません。
タイトルの「sezession」とは、セッションの意味なのかな?と思いきや、19世紀末にドイツ・ウィーンで興った、過去の様式と決別し新しい在り方を目指した芸術・文化活動の呼称だそう。ジャズやクラシックの格調高さをどこか残しながらも、アヴァンギャルドに音の地平を切り拓いて行く、彼らの姿勢の込もった1枚です。

第五作品集『無題』 – downy

彼らにしか出せない、激しさと柔らかな叙情性の音の雨

downyには、彼らに出せない世界観があります。和製レディオヘッドとでも言いたいような、激しさと繊細さを感じさせるサウンドに、降りしきる音の雨を浴びるようなリズム。そこに、色彩を含んで浮かぶような、ユニセックスな美しい日本語のボーカルが特徴です。洗練され狙いすまされた感じがないのに、どこかナチュラルに「和」の雰囲気を感じさせてやまない、日本のバンドの中でも稀有な彼らの代表的アルバム「第六作品集『無題』 [ downy ]」
です。

本作は、9年もの活動休止期間を経て発売された、まさに彼らにとって息を吹き返すきっかけになったようなアルバム。ちなみに、彼らのアルバムのタイトルはもれなく全て「無題」なので、第◯作品集と振ってあるナンバーで見分けることになります。また名盤紹介というこちらのコーナーで触れることができない内容で恐縮なのですが、このアルバムから正式なメンバーとしてVJが加入されています。(最近でこそレギュラーメンバーに映像担当がいるというバンドも増えてきていますが、日本においてはその先駆けのような印象です)聴いているだけで色彩や風景が浮かんでやまないような彼らの音楽ですが、映像を持って作品のパーツが完成するというのもとても興味深いです。

個人的には、サウンドの静けさとボーカルの対比、歌詞の美しい4曲目「下弦の月」、様々な音のレイヤーが見事に構築された7曲目「春と修羅」、ドラマチックなリズムと溶けるようなサウンドにうっとりしたくなる9曲目「燦」がおすすめです。曲のタイトルにも、日本文学が好きな人は思わず反応してしまうような、彼らの美学を感じさせます。

Heartstrings – serph

溢れて止まらない高鳴り。新しい世界の扉を開くときには、きっとこんな音がする。

serphの楽曲を聴いていると、その電子音や鍵盤で構成された音はキレイなのに、一種の凄みのようなものが感じられます。そこには喜びだけでなく、悲しみや憤りや、様々な感情にろ過され、キラキラとした結晶のようなものだけが力強く残っていくような、そんな感覚になります。

この「Heartstrings」は、彼のキャリアにおいて3番目のアルバムで、作曲・プログラミングのみならず、リミックスにマスタリングまでserph一人の手によって手がけられました。そんな風に一人の人間の胸の中であたためられていたものが、期待を持って世界へ触れていく象徴のようなタイトルがふさわしい、まさに心の琴線のような珠玉の音たちです。無理に言葉にしようとしなくても、自然と外に向かって音が溢れてやまない、そんな瑞々しいパッションを感じます。

まさに扉が開くような始まりの曲「Luck」、光が当たったところから種が一気に発芽し花が開いていくように、物語の加速を感じさせる2曲目「Shine」、繊細で豊かな音色が、星のきらめきを感じさせるような10曲目「Stardust」は特に聴いていただきたい曲たちです。

聴いているうちに、自分の中に内在されていた感情やファンタジーが、この現実の世界と繋がっているものだと感じられるような、素晴らしい1枚です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
近年、ポストロックというジャンルも多様化しているように思えます。ダブステップやエレクトロニカ、プログレ、ジャズ、シューゲイザーなど、この曲のジャンルはなんなんだ?と思ってしまうような曲が増えてきています。また、日本のポストロックというとボーカルがないインストの楽曲が多いですが、海外のポストロックではボーカルが乗っている楽曲が少なくありません。そういった意味でもポストロックの中にまた様々な音楽が含まれているということができます。また、これだけ多種類の音楽がリリースされているということは、それだけポストロックがピックアップされている証拠ともいえるでしょう。比較的流行した8.90年代に比べて2000年代ではその人気が落ち着いたポストロックですが、スウェーデンやアイルランドなどの北欧地域を中心に火が再びつき、その影響は日本でも感じることができます。余談にはなりますが、私自身ポストロックのカバーバンドにてギターを担当していたこともありましたが、ポストロックは他のジャンルより難解と感じていました。コード進行も難しく、楽曲の雰囲気を演出するためのエフェクターやギターなどの機材は安いものではチープな音になってしまい、ポストロックの味が出ないのです。だからこそプロミュージシャンの偉大さを思い知り、そこからまたポストロックにのめり込むこととなりました。ロックサウンドは多少荒々しくても、そのバンドの個性として認められるかと思います。しかし、ポストロックはそうもいかないのはないでしょうか。曲全体の進行や展開、各楽器の音作りやバランスはもちろん、一音一音の細部まで拘りぬいた音楽がポストロックです。多くのリスナーを魅了するポストロックを皆さんも味わってみてはいかがでしょうか。

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