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Terrifyer -PIG DESTROYER
元AxCx(Anal Cunt)の8弦スーパーギタリスト、スコット・ハル率いるPIG DESTROYERの2枚組として発表された3rdアルバムの1枚がこのTerrifyerです。
初期の実直なグラインドサウンドから進化を遂げ牙を剥いた姿をついに現し、アルバムを通して親の仇のごときグラインドビートに打ち込み要素なども盛り込んだ実験的な作品ながらも、重くのし掛かるようなテンポからSE、そして一切ブレのないファストな曲への展開など、緻密な構成にはただただ感服してしまいます。
良い意味で生々しさがなく、無機質さを漂わせる演奏はグラインド初心者でも受け入れやすいのも特徴ですが、アクやクセはそのままに残しているところはさすがの名人芸が光るポイントともいえます。
From Enslavement To Obliteration -Napalm Death
グラインドコアというジャンルを確立させた記念すべきアルバムですので、初心者にはうってつけのアルバムです。とにかくどの曲も異常なほどに速く、それ故に一曲一曲が3分未満と短く、アルバムには20曲以上も収録されています。速いだけと思われがちですが、その速さにはとてつもない技術が根底にありますし、ギターリフは巧みですし、ドラムは切れ味が良さが光っています。
中でもオススメの曲は2曲。
1つ目は「Mentally Murdered」。激しく速い曲でありながら、キャッチ―なリズムであり、初心者でも取っつきやすい曲ですし、グラインドコアは全て同じに聴こえるという人にもハッキリと違いをわからせることができる曲です。
もう1曲は「DEAD」です。わずか2秒ほどの曲で瞬く間に終わってしまいます。その2秒に高速の演奏が詰め込まれており、グラインドコアらしさが表れています。
イギリスのグラインドコアバンド、ナパーム・デスから「From Enslavement To Obliteration」。とにかくグラインドコアというジャンルの持つ魅力が詰まったアルバムであり、グラインドコアの教科書のようなアルバムです。
このアルバムが嫌い、好きになれないという人はグラインドコアというジャンルに向いていないと言い切れる名盤です。エモーショナルに展開されながらも疾走感や軽快さも持ち合わせており、半端ではない熱量を感じることができます。
80年代当時のNapalm Deathの勢いとセンス、空気感全て詰め込んでパッケージしたようなアルバムで、アルバムを再生すると同時にリリース年である1988年にタイムスリップするような感覚に陥りますが、今聞いても古臭さを全く感じさせないクオリティーと圧倒的なオリジナリティーを堪能できます。
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