アナル・カントはアメリカのボストン出身のバンドです。バンド名の”Anal Cunt”はかなりストレートな卑猥な言葉の組み合わせなため、よく”AxCx”と省略されることがあります。
彼らの歌詞は全体的にとにかくひどい内容のものが多く、普通に良識のある人は口にできないものも多いですが、そこがまたアンダーグラウンドなバンドといった感じで魅力のひとつでもあります。
わたしのオススメのアルバムは4thアルバムの”I LIKE IT WHEN YOU DIE”です。トータルで42分のアルバムですが、なんと50曲以上も収録されています。まさにグラインドコアの特徴である短く激しい曲揃いです。まったく興味の無い人には全曲同じ曲に聴こえるアルバムですが、グラインドコア好きにはたまらない暴れたくなる曲ばかりの名盤です。
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CARCASS
カーカスの初期(2ndアルバムまで)をおすすめします。グラインドコアらしい暴虐的な演奏はもちろんなのですが、なぜだか聴きやすいのです。よく耳をすまして聞いてみると、複雑でかっこいいギターリフが楽曲をしっかりとリズムあるものにしていることがわかります。メロディアスなギターソロもありますので、グラインドコアを聞いたことがあまりない人に特におすすめできるバンドです。
中でもおすすめのアルバムは、2ndアルバム「Symphonies of Sickness(放題; 真・疫魔交響曲)」です。デスメタル色が加わったため、全体的にギターリフで押し切る曲が多くなっており、とても聴きやすいです。それでいて、ボーカルの嘔吐しているのではないかと思えるほどの強烈な歌声が暴力性をしっかりと演出しています。
BLACK GANION
名古屋の伝説のハードコアバンドCALUSARIのUNO率いるグラインドコア・バンド。いろんなジャンルを取り込んだ幅広くかつインパクトのある楽曲に、確かな演奏スキルで聞くたびに強烈に引き込まれる世界観が魅力です。半端じゃない熱量の中に独創性とクールさまで持ち合わせるBLACK GANIONは日本で唯一無二のバンドといっても過言ではありません。
中でも1ST EPであるHAKKYO!は初期衝動のような勢いのなかにどす黒くカオスな一面をみせるサウンド。グラインドコアファンのみならずハードコアをはじめとするラウドミュージックのフリークも虜にする魅力があります。
ギターのAiの死を乗り越えて発売された1ST ALBUMのFIRSTではもっとふり幅の大きいサウンドを聞かせてくれます。両方必聴です。
SETE STAR SEPT
現在日本のグラインドコアバンドでおそらく一番海外ツアーを行なっているSETE STAR SEPTは、女性ベースボーカルとドラムのグラインドデュオです。フリージャズの流れを汲んだ奇怪なドラムのビートに、イカついベースとぶっ飛んだデスヴォイスが絡むサウンドはグラインドの中でもかなり亜種で、その雰囲気から海外で評価されるのも納得できます。
2013年発売の12インチCD Visceral Tavernは休まることなく頭から終わりまでぶっ続けのグラインドサウンドは特に衝撃作と言えます。SETE STAR SEPTの素晴らしい点は、音源でもライブでもまったく変わりがないテンションを保つ高い精神力と演奏力です。両者一歩も引かないスタイルでぶつかり合う音はもうなぜだか妖怪の域に達しているとも言えるバンドです。
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