グラムロックファッションについて 1970年代に大流行した妖艶で煌びやかな服装とは

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1970年代前半に世界に大ブームを巻き起こしたグラムロック。その象徴とも言える奇抜な服装や斬新な髪型、妖艶な髪色はグラムロック全盛期を過ぎた現代においてもファッション界に大きな影響を与えています。

今回はそんなグラムロックのファッションについてまとめてみました。

グラムロックとは

グラムロック(glam rock)のグラム(glam)とは、魅力的で華やかなさまを表す英語のグラマラス(GLAMOROUS)に由来します。1960年代のヒッピーやウッドストック、フラワームーブメントなど自然回帰への反動、「人工的」で「未来志向」のカウンターカルチャーとして生まれたグラムロックは、1970年代前半から中盤にイギリスを中心に大流行。それまでのハードロックやプログレッシブロックとは全く異なる、きらびやかでゴージャスなコスチュームとド派手なメイクのトランスジェンダーなスタイルは、一大センセーションを巻き起こしました。

 

妖艶なロックの時代・グラムロックの全盛期は1970年から1973年までとわずか3年足らずであったにもかかわらず、その後のパンク・ニューウェーブ、ニューロマンティクスのムーブメントや日本のヴィジュアル系バンドへの影響力は計り知れません。

 

グラムロックを代表する1970年代海外アーティスト

  • デヴィッド・ボウイ(David Bowie)

1960年代後半のカウンターカルチャーに影響を受けたデヴィッド・ボウイは、哲学や思想・美学の要素を作品内に反映し、1972年にコンセプトアルバム『ジギー・スターダスト』をリリース。自ら作り上げた架空のロックスター”ジギー・スターダスト”によって、グラムロックを代表するミュージシャンの地位を確立しました。

 

  • マーク・ボラン(Marc Bolan)、Rex

デヴィッド・ボウイと共にグラムロックのアイコンとして語り継がれる伝説のミュージシャン「マーク・ボラン」。妖艶なルックスと歌声で多くのロックファンを魅了しましたが、1977年自動車事故により29歳という若さでこの世を去っています。

 

  • ロキシーミュージック(Roxy Music)

1971年デビュー当初はグラムロックと認知され、デヴィッド・ボウイの全英ツアーにサポートアクトとして参加していたロキシーミュージック。”英国ロック界一の伊達男”と称されるブライアン・フェリーや、超大物プロデューサーとして名を馳せているブライアン・イーノも、当時はド派手な衣装とメイクでパフォーマンスを披露。

 

  • ニューヨーク・ドールズ(New York Dolls)

ケバケバしいファッションと過激なステージパフォーマンス、センセーショナルな言動で後のパンク・オルタナティブロックに多大な影響を及ぼしたニューヨーク・ドールズ。

 

  • モット・ザ・フープル(Mott the Hoople)
  • スレイド(Slade)
  • スウィート(Sweet)

この他にも、1970年代当時グラムロックにカテゴライズされたアリス・クーパークィーン、デヴィット・ボウイがプロデュースしたことにより、ルー・リードイギー・ポップ率いるザ・ストゥージーズまでもグラムロックと称されることがあるようです。

 

グラムロックを代表する1980年代海外アーティスト

  • ジャパン(JAPAN)

デビュー当初は、ニューヨーク・ドールズさながらのグラムロックスタイルで、日本でも爆発的な人気を誇った英国バンド「ジャパン」。サード・アルバム『クワイエットライフ』以降はガラッと音楽性が異なります。

 

  • ハノイロックス(HANOI ROCKS)

ガンズ・アンド・ローゼズやスキッド・ロウにも影響を与えた、フィンランド出身のグラムロックバンド。

 

グラムロックを代表する日本アーティスト

  • サディスティック・ミカ・バンド

1975年ロキシーミュージックの全英ツアーにオープニングアクトとして参加。日本におけるグラムロックの先駆者的バンドとして認知されています。

 

  • ZIGGY

その名の通り、デヴィッド・ボウイのジギー・スターダストから命名された1984年結成のグラムロックバンド「ZIGGY(ジギー)」。度重なるメンバーチェンジと、休止&再活動を繰り返し、2017年10年振りとなる全国ツアーを開催。

 

  • マルコシアス・バンプ

多くのアーティストを輩出した伝説の深夜番組の1コーナー『三宅裕司のいかすバンド天国』、通称「イカ天」出身のグラムロックバンド。ヴォーカル&ギター・秋間経夫のルックスは、まさに平成のマーク・ボラン。

 

  • THE YELLOW MONKEY(ザ・イエローモンキー)

再結成された現在でも、アップデートされたグラムロックスタイルを貫き続けるザ・イエローモンキー。公式ヴィジュアルには、イタリアのラグジュアリーブランド「グッチ(GUCCI)」のアイテムを衣装としてメインで使用しています。

 

  • ROLLY、すかんち

バンドからソロとして活躍する現在まで、一切ブレること無くグラムロックスタイルを貫き続けるアーティストROLLY。

これらのアーティスト以外にも、グラムロックに影響を受けたアーティストとして、忌野清志郎(RCサクセション、ザ・タイマーズ等)や沢田研二hyde(ラルクアンシエル、VAMPS)、本田泰章の名も挙げられます。

 

グラムロックのファッションブランドとは

1970年代グラムロック全盛期のステージ衣装として用いられたファッションブランド(デザイナーズブランド)と、現在グラムロックスタイルを打ち出しているファッションブランドも併せてご紹介いたします。

 

□山本寛斎

日本人デザイナー・山本寛斎は、デヴィッド・ボウイのグラムロック時代を象徴する、1973年ボウイ初のワールドツアー「ジギー・スターダスト」と1976年「アラジン・セイン」のステージ衣装を担当しています。ボウイがロンドンのセレクトショップで寛斎の「因幡の素兎(いなばのしろうさぎ)」というジャンプスーツを購入し、ステージで着たことから二人の交流が始まり、寛斎がボウイのステージ衣装を手掛けることになりました。親日家であり日本文化に心酔していたグラムロック時代のデヴィッド・ボウイは、歌舞伎の女形のメイクや歌舞伎の早変わりの演出をステージパフォーマンスに取り入れ、「トーキョーポップ(KABUKI)ジャンプスーツ」や「出日吐暴威 ショルダーニットワンピース」など寛斎のアヴァンギャルドなコスチュームに身を包み、いまなお語り継がれる伝説的なライブを繰り広げたのです。

 

□サンローラン(Saint Laurent)の2015春夏&2016秋冬コレクション

エディスリマンがクリエイティブディレクターとして手掛けたサンローランのコレクションでは、数多くのグラムロックスタイルが打ち出されています。特に「PSYCH ROCK」と名付けられた2015春夏コレクションと、エディ最後のサンローラン・コレクションとなった2016秋冬のグラムロックスタイルは圧巻です。

 

□ロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)の2016春夏コレクション

ボヘミアンシックとグラムロックを融合させたゴージャスなスタイルが海外セレブに大人気のブランド「ロベルトカヴァリ」。2016秋冬メンズコレクションは、ロックスターを彷彿とさせる、これこそまさにグラムロック!なスタイルが発表されました。

 

□ディースクエアード(DSQUARED2)の2017春夏コレクション

グラムロックのアイコニックアイテム・プラットフォームブーツ、いわゆる”ロンドンブーツ”が提案されたディースクエアードの2017春夏コレクション。1970年代のロンドンブーツをはるかに凌ぐ超厚底のプラットフォームブーツは、めちゃめちゃインパクトがありますね。

 

グラムロックスタイルの特徴

ゴージャスできらびやかなコスチュームとケバケバしいメイクのアンドロジナス(両性具有)、いまで言うところのトランスジェンダーなファッションがグラムロックスタイルの特徴です。スタンリー・キューブリック監督による二つの映画、1968年公開の『2001年宇宙の旅』と1971年公開の『時計じかけのオレンジ』は、当時のアーティスト達に多大な影響を及ぼし、スペーシーでフューチャーリスティックなグラムロックスタイルのイメージの源となりました。さらに、グラムロックスタイルのトランスジェンダーなヴィジュアルは、ポップアートの旗手アンディー・ウォーホルの手掛けた舞台「Pork」や初期の映画、ドラッグクィーンやNYアンダーグラウンドなどの影響とも言われています。

 

グラムロックスタイルを象徴するファッションアイテム

  • ラメやサテン、スパンコールのグリッター(キラキラ)コスチューム

ラメやサテン、スパンコールにビーズなどの装飾が施されたピークトラペルのジャケットや、ショルダーを強調したデザインのコスチューム。

 

  • ロンドンブーツ:厚底ブーツ、プラットフォームブーツ

どぎつくド派手な色使いとラメやビーズなどの装飾が施された厚底ブーツ、通称”ロンドンブーツ”。日本でもグラムロックとともに大流行し、東京青山にある「手作り靴オーダーできる店 カルッチェリアホソノ」では1970年から73年のブームの間に1万足超を販売。ちなみに当時は、無地のロンドンブーツで18,000円、オーダーメイドで28,000円、特注のヘビ革を使用したブーツに至っては38,000円と高額で、1970年大卒初任給が39,900円の時代を考えればいかに高額であったかがうかがい知れます。

カルツェリアホソノ 青山本店

東京都港区南青山5-1-2青山エリービル2F
地下鉄表参道A-4出口の向かい側、赤レンガのビル

TEL:03-3409-9425・9426

営業時間(平日)11:00~20:00
(日祝)12:00~19:00

※ロンドンブーツをオーダーメイドしたいという方は、是非こちらのショップにお問い合わせなさってみてください。

 

  • パンタロン、ベルボトム、スキニーパンツ(ぴたぴたパンツ)

1970年代大流行したパンタロンやベルボトムのジーンズ。グラムロックスタイルだけでなく、ヒッピーからフォークまで、一般的なカジュアルスタイルとしてパンタロンとベルボトムのシルエットが大流行。しかし改めて当時のグラムロックバンドのコスチュームをチェックしてみると、ベルボトムのパンツよりも、パンタロンスタイルやスキニーパンツの方がどうやら主流だったみたいです。

 

  • サイケデリックパターンとドラッギーな色使い

ペイズリーやフラワープリントなどサイケデリックな色柄使いと、渦巻き模様やアブストラクトな色柄モチーフもグラムロックスタイルを彩ります。

 

  • ファーやフェザーのストール

黒・赤・ピンクなどの羽ストールやファーストールも、グラムロックスタイルに欠かせません。

 

  • メッシュやカラーリングされたヘアー、ウェービーなロングヘアー

ウェーブのかかったロングヘアーにマーク・ボランの様なカーリーヘアー、派手な色のメッシュやカラーリングされたヘアーがグラムロックスタイルの代表的な髪形です。

 

グラムロックをフィーチャーしたおすすめ映画

それでは最後に、グラムロックのドキュメンタリーとグラムロックをフィーチャーした代表的な映画をご紹介いたします。

 

□『ジギー・スターダスト』

1973年7月3日イギリス・ロンドンのハマースミス・オデオンで行われた、デヴィッド・ボウイワールドツアー「Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」最終公演の模様を収録した伝説のドキュメンタリー映画。「今後このバンドでのライブは行わない」とボウイはライブの中で発表し、、自ら作り上げたロックアイコン「5年後に滅びようとする地球の救世主」ジギー・スターダストを永遠に葬り去ったのです。

 

□『ボーン・トゥー・ブギー』

1972年3月18日イギリス・ロンドン郊外ウェンブリーで行われた、T・Rex絶頂期のライブの模様を収めたドキュメンタリー。グラムロックのカリスマ”マーク・ボラン”の魅力が凝縮された貴重な映像の数々はファンならずとも必見!

 

□『ベルベット・ゴールドマイン』

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デヴィッド・ボウイをはじめとするグラムロック全盛期のアーティストをイメージさせる設定が話題となった、1998年公開のイギリス映画『ベルベット・ゴールドマイン』。サウンドトラックには、ロキシーミュージックをはじめとする、T・Rex、ルー・リード、ブライアン・イーノ等アーティストの楽曲が使用され、グラムロックを代表する名曲、マーク・ボランの『 20thセンチュリー・ボーイ』 は、映画にも出演しているプラシーボによってカバーされています。

ちなみにタイトルの『ベルベット・ゴールドマイン』はデヴィッド・ボウイの楽曲名に由来し、製作サイドから楽曲提供をオファーされたにもかかわらず拒否したデヴィッド・ボウイには、露骨に自分自身と分かる登場人物の設定について快く思っていなかったとか、アーティストとビジネスの関係をシニカルに捉えたテーマについて難色を示したなど、彼が亡くなった現在でも様々な憶測がまことしやかに伝えられています。

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