□山本寛斎
日本人デザイナー・山本寛斎は、デヴィッド・ボウイのグラムロック時代を象徴する、1973年ボウイ初のワールドツアー「ジギー・スターダスト」と1976年「アラジン・セイン」のステージ衣装を担当しています。ボウイがロンドンのセレクトショップで寛斎の「因幡の素兎(いなばのしろうさぎ)」というジャンプスーツを購入し、ステージで着たことから二人の交流が始まり、寛斎がボウイのステージ衣装を手掛けることになりました。親日家であり日本文化に心酔していたグラムロック時代のデヴィッド・ボウイは、歌舞伎の女形のメイクや歌舞伎の早変わりの演出をステージパフォーマンスに取り入れ、「トーキョーポップ(KABUKI)ジャンプスーツ」や「出日吐暴威 ショルダーニットワンピース」など寛斎のアヴァンギャルドなコスチュームに身を包み、いまなお語り継がれる伝説的なライブを繰り広げたのです。
□サンローラン(Saint Laurent)の2015春夏&2016秋冬コレクション
エディスリマンがクリエイティブディレクターとして手掛けたサンローランのコレクションでは、数多くのグラムロックスタイルが打ち出されています。特に「PSYCH ROCK」と名付けられた2015春夏コレクションと、エディ最後のサンローラン・コレクションとなった2016秋冬のグラムロックスタイルは圧巻です。
□ロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)の2016春夏コレクション
ボヘミアンシックとグラムロックを融合させたゴージャスなスタイルが海外セレブに大人気のブランド「ロベルトカヴァリ」。2016秋冬メンズコレクションは、ロックスターを彷彿とさせる、これこそまさにグラムロック!なスタイルが発表されました。
□ディースクエアード(DSQUARED2)の2017春夏コレクション
グラムロックのアイコニックアイテム・プラットフォームブーツ、いわゆる”ロンドンブーツ”が提案されたディースクエアードの2017春夏コレクション。1970年代のロンドンブーツをはるかに凌ぐ超厚底のプラットフォームブーツは、めちゃめちゃインパクトがありますね。
グラムロックスタイルの特徴
ゴージャスできらびやかなコスチュームとケバケバしいメイクのアンドロジナス(両性具有)、いまで言うところのトランスジェンダーなファッションがグラムロックスタイルの特徴です。スタンリー・キューブリック監督による二つの映画、1968年公開の『2001年宇宙の旅』と1971年公開の『時計じかけのオレンジ』は、当時のアーティスト達に多大な影響を及ぼし、スペーシーでフューチャーリスティックなグラムロックスタイルのイメージの源となりました。さらに、グラムロックスタイルのトランスジェンダーなヴィジュアルは、ポップアートの旗手アンディー・ウォーホルの手掛けた舞台「Pork」や初期の映画、ドラッグクィーンやNYアンダーグラウンドなどの影響とも言われています。
グラムロックスタイルを象徴するファッションアイテム
- ラメやサテン、スパンコールのグリッター(キラキラ)コスチューム
ラメやサテン、スパンコールにビーズなどの装飾が施されたピークトラペルのジャケットや、ショルダーを強調したデザインのコスチューム。
- ロンドンブーツ:厚底ブーツ、プラットフォームブーツ
どぎつくド派手な色使いとラメやビーズなどの装飾が施された厚底ブーツ、通称”ロンドンブーツ”。日本でもグラムロックとともに大流行し、東京青山にある「手作り靴オーダーできる店 カルッチェリアホソノ」では1970年から73年のブームの間に1万足超を販売。ちなみに当時は、無地のロンドンブーツで18,000円、オーダーメイドで28,000円、特注のヘビ革を使用したブーツに至っては38,000円と高額で、1970年大卒初任給が39,900円の時代を考えればいかに高額であったかがうかがい知れます。
【カルツェリアホソノ 青山本店】
東京都港区南青山5-1-2青山エリービル2F
地下鉄表参道A-4出口の向かい側、赤レンガのビル
TEL:03-3409-9425・9426
営業時間(平日)11:00~20:00
(日祝)12:00~19:00
※ロンドンブーツをオーダーメイドしたいという方は、是非こちらのショップにお問い合わせなさってみてください。
- パンタロン、ベルボトム、スキニーパンツ(ぴたぴたパンツ)
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