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UKロックとは
UKロックって、一体どういったジャンルの音楽の事なのでしょうか。UKとは、United Kingdom(ユナイテッド・キングダム)の略称であり、United Kingdomはイギリス連合王国の正式名称です。イギリスという国は、イングランド、ウエールズ、スコットランドの3つの国からなる連合王国。
すなわち、UKロックとはイギリス連合国内で生まれたロックミュージックのことを基本的には指します。イギリスのミュージシャン達によって作り上げられた音楽で、その時代のカルチャーやムーブメントとも深く関わりがあり、歴史上多くのジャンルが生れました。そのため、UKロックの音楽性、は一口には統一することができず、特徴は時代時代によって異なってきます。
ちなみに日本では、1970年代以前の英国産の音楽はブリティッシュロックと呼ばれていました。UKロックと呼ばれるようになったのは70年代後半から80年代初期の頃からでした。
それでは早速、UKロックの歴史から見ていきましょう。その歴史がはじまったのは1950年あたりから。確立されたジャンルを解説しながら変遷を振り返っていきます。
UKロックの歴史
ここでは、UKロックの変遷について解説していきます。どのような時代にどのようなジャンルが流行ったのか。みなさんの好きなUKロックはどのような時期に一世を風靡したのか、知ってもらえたら幸いです。
1950年代~ アメリカ音楽の輸入からの発展
1950年代に入ると、イギリスにアメリカのロックンロールが輸入され始めます。リトル・リチャードやエルビス・プレスリーらによる、明るくノリの良いロックンロールはイギリス国中を熱狂させ、英国内でもクリフ・リチャードなどのロックンロールを歌う歌手が誕生しました。
アメリカン・ロックンロール
1950年代、イギリスにアメリカのロックンロールが輸入され始めます。ハリウッド映画「Rock Around The Clock(ロック・アンド・ロール/狂熱のジャズ)」が公開され、ビル・ヘイリー&ザ・コメッツの同名タイトル曲が大ヒット。同時にリトル・リチャードやエルビス・プレスリーらによる、明るくノリの良いロックンロールがイギリス国中を熱狂させ、英国内でもクリフ・リチャードなどのロックンロールを歌う歌手が誕生しました。
マージービート
1950年代後半になると、イギリス国内でバンドを結成する若者が急増します。アメリカのリズム&ブルースやドゥーワップなどを取り入れたロックンロールは、ビートミュージックと呼ばれていました。特にマージ―ビートと呼ばれたリバプール出身のバンド達の勢いはその群を抜いていました。リバプールで活動していたビートルズが1962年にデビュー、イギリスでのロックの歴史はここから始まります。
1960年代~ロックの開花と米国進出、サマーオブラブの影響
ブルースロック
1950年代後半から1960年代初期の間、イギリスではマディ・ウオーターズやロバート・ジョンソンなど、米国から輸入されたブルースが流行します。当時全英ツアーを行ったマディ・ウオーターズは、そのパワフルな歌声で英国に衝撃を与えます。この頃10代だったジミー・ペイジ、エリック・クラプトン、ジェフ・ベックら、後世に世界3大ギタリストと呼ばれるようになった彼らはブルースから多大な影響を受け、ギターを始めました。彼等はブルースロックのバンド「ヤードバーズ」の歴代ギタリストとなります。
第一次ブリティッシュインヴェイジョン
ビートルズ、ローリングストーンズ、ザ・フー、キンクスの「英国四大バンド」が結成されたのもこの頃です。ビートルズが米国進出に成功したのをきっかけに、イギリスのバンドが続々と米国のチャートトップを賑わす様になります。多くの英国バンドが全米ツアーを行い、この現象は「ブリティッシュ・インベイジョン」と呼ばれました。
モッズ
1960年代初期、ミリタリージャケットを着てスクーターに乗り、米国のR&Bやソウル、スカなどを聴いていたのがモッズ族です。そして彼等のヒーローのような存在だったのが、ザ・フーでした。当時の若者の気持ちを代弁するかの様な歌詞と、破壊的なステージ・パフォーマンスは、その後のパンクにも通じるスピリッツがあり、多くのファンの支持を得ました。
サイケデリック
1960年代中期にアメリカ西海岸ヒッピー族から発祥した現象です。イギリスでは、ブルースロックのバンドが幻覚効果を取り入れたり、シタールを使用するなどして音楽をより実験的に進化させました。エリック・クラプトンのクリーム、スティーヴ・ウィンウッドのトラフィック、シド・バレットのピンクフロイドなどはカラフルで幻覚的な世界を見事に表現しています。1967年にはビートルズが「サージェント・ペパーズ」をリリースし、ムーブメントの頂点を迎えます。そして、今後生まれるプログレやハードロックへ多大な影響を与えました。
1970年代 新しい表現が次々に生まれた革新の時代
フォーク・ロック
サイケデリックとほぼ同時期にブームになっていた現象がフォークロックです。アメリカから始まった熱がイギリスにも上陸し、1970年代初頭にピークを迎えます。スコットランドやウエールズなどに古くから伝わる、ケルトなどの民俗音楽とロックを合わせた音楽で、フォークの歌詞や曲調、アコースティック楽器などに、ロックのリズムやテンポ、電気楽器をプラスしています。この頃のUKロックにはサイケデリックから影響を得ている部分もかなり見受けられます。フォークロックの火付け役としてはボブ・ディランを挙げることができます。
ペンタングルはブリティッシュ・トラッドをジャズ風にアレンジ。英国フォークロック現象のパイオニア、フェアポート・コンヴェンションは伝統歌をロックとして表現し、ミュージックシーンに多大な影響を与えました。
プログレッシブ・ロック
1960年代半ばから活動していたバンドがサイケデリックの影響を受け、ポップ路線とは程遠いクラシックやジャズ、フォークにより近づいた音楽がプログレッシブロック。1曲がLPの片面全部を独占する長さ、コンセプトや作曲にこだわり、インストのみの長い演奏という前衛音楽の様なジャンルで、アートロック、シンフォニックロックとも呼ばれていました。
全英チャート1位に輝いたキング・クリムゾンのアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」と、メンバー5人の最高のプレイで金字塔となったイエスのアルバム「危機」はプログレの代表作。ソフト・マシーンに代表される、カンタベリー地方で発祥したカンタベリーロックも複雑で即行演奏を行うため、プログレの兄弟と言われていました。
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