グラム・ロック
1970年代初頭、サイケデリックブ―ムの後に異星人の様な恰好をしたミュージシャン達が現れました。カラフルなヘアとメイクに、きらきら光る素材で作られた衣装。ベルボトムにロンドンブーツと、ファッション面においても社会に多大なる影響を与えました。ハードロックにSFを融合したポップな音楽と劇場的なステージはヴィジュアル的にも楽しませてくれ、デヴィッド・ボウイやマーク・ボランなどのスターが誕生しました。
へヴィメタル
これまで英国内で流行してきたブルースロックやサイケデリックに影響されたキッズが作り出した最強のサウンドがヘヴィメタル。レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ブラックサバスらがヘヴィメタルの3大パイオニアバンドと言われています。ディストーション効果を用いた重量感のあるサウンド。迫力あるギターソロや爆発する様な大音量など、過激なステージパフォーマンスで圧倒的な人気を得ます。1970年代にはハードロックと呼ばれていました。
パブロック
派手な衣装のグラムや難解なプログレにうんざりした若者達が、ロンドンのパブをベースに演奏を始めます。彼等の着ているものは汚れたシャツに破れたジーンズとボサボサヘア。ブルースやフォークやカントリーなどのルーツ音楽を基本にしたサウンドとリアルな歌詞は、きつい労働後にパブでビールを飲む若者達の心を一気に掴みました。
攻撃的なR&Bとエネルギッシュなステージパフォーマンスのドクター・フィールグッドや、シャープでウィットに富んだ歌詞とファンキーなノリのイアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズは、ライブバンドとして定評を得、アルバムがチャートトップ入りしました。
パンク
パブロックの影響を受けたロンドンのキッズが攻撃的な歌詞と挑発的なサウンドで登場します。彼等の反社会的なスタイルは社会現象ともなり、ファッションや行動などもメディアで大きく取り上げられました。音楽ファンに衝撃を与えカリスマとなったセックス・ピストルズは、1977年にリリースした1枚のデビューアルバム「勝手にしやがれ」でロックの歴史を塗りかえてしまったのです。
ニューウェイヴ
パンクによってロックの形が変えられた後、1978年以降になるとシンセサイザー、レゲエ、エクスペリメンタルなどの様々な要素を用いた新しいスタイルの音楽が続々と生まれます。ポップな音楽性で、多くのバンドがメインストリームへと進出し始めます。1970年代後半から1980年代中期までに現れたすべてのジャンルをひっくるめてニューウェイヴと呼びました。
代表アーティストは、レゲエを取り入れたザ・ポリスや、パンクなギターポップのザ・ジャム、ドアーズの様なオルガンを演奏するストラングラーズなどです。エルビス・コステロが在籍したスティフ・レーベルがニューウエイブのリーダー的存在でした。
レゲエ・スカ
サッチャー政権で人種問題が高まる中、コヴェントリーで結成されたザ・スペシャルズは黒人と白人が融合した2トーンをテーマに、ジャマイカへの敬意を表します。ムーブメントの中心となったのは、ザ・スペシャルズのジェリー・ダマーズが設立した2トーンレーベルです。在籍していたのは、ザ・ビートやセレクター、マッドネスなど。
ムカデダンスとポップなスカで日本のCMにも登場したマッドネスは、現在でも国民から愛され続けているバンドです。
1980年代 ヴィジュアルへのこだわりとダンスムーブメント
ポストパンク
パンクに実験的要素を加えた前衛的な音楽がポストパンクです。ノイズ、民族楽器、シンセなどを多用した混沌としたサウンドで、ダークなダンスビート。政治的メッセージの強いバンドも多く、後にインダストリアルへと発展します。
元セックス・ピストルズのジョン・ライドンはパブリック・イメージ・リミテッド(PIL)でアルバム毎に全く新しい世界を開拓しました。ワイヤー、ザ・ポップ・グループ、ギャング・オブ・フォーはジャンルを代表する3大バンドです。
エレクトロニック
1980年代に入ると、1970年代後半からシンセサイザーを使って活動していたヒューマンリーグやゲイリー・ニューマンなどがトップチャート入りし、シンセ人気が爆発します。このムーブメントにより殆どのロックバンドがシンセを取り入れました。
1981年8月1日午前0時1分にアメリカでMTV放送が開始されます。1番最初に流されたビデオが、バグルスの「ラジオスターの悲劇」でした。
ニュー・ロマンティック
ロンドンのナイトクラブ「ブリッツ」を中心としたムーブメントです。中世の王子さま風の衣装と派手なメイクをした、ヴィジュアル系の元祖と言われています。バンドはシンセを使用し、ロキシー・ミュージックやデヴィッド・ボウイの音楽性を引き継いでいます。デュラン・デュランがアメリカ進出した後、続々と英国バンドが米国で成功します。この時期が「第二次ブリティッシュ・インヴェイジョン」と呼ばれていた頃です。
インディー・ロック
1980年代中期に入ると、メインストリームを嫌い独自の音楽を追求するインディペンデント・バンドが現れます。1984年、マンチェスターからシンセサイザーを使用しないシンプルなギターバンド、ザ・スミスがセルフタイトルのアルバムでデビューします。モリッシーの文学的な歌詞とジョニー・マーの個性的なギタープレイは特別の存在感があり、1980年代で最も影響力のあるバンドと言われています。
ゴシック
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