yahyelとは 最新型バンド“宇宙人”を意味するバンドの生態

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音楽好きのみなさんこんにちは。

みなさんは、「yahyel」という徹底的に構築された圧倒的な世界観を持つ気鋭のバンドをご存じですか?世界を標準に向けた活動を掲げており、2015年の結成からすでにヨーロッパツアーを敢行、海外レーベル『Beat Records』からデビュー、などいまその動向が注目されています。

また、宇多田ヒカルのMVを制作した映像作家dutch_tokyoこと山田健人がVJメンバーとして在籍し、時代の潮流をすばやく取り込んだ音楽性とアートワークで、これからますます活動が大きくなっていくであろうバンドです。今のうちにどんなバンドなのか、ここで予習しておきましょう!

[official twitterより]

プロフィール

バンド名の由来

「やいえる」という読み方をします。

「yahyel」というバンド名は、ニューエイジ思想に登場する“バシャール”の言葉に由来しています。ニューエイジ思想では、2015年以降に人類が最初にコンタクトを取る未知の文明を「yahyel」と呼んでおり、2015年に活動を開始した自分たちに重ねて、宇宙人のようなどこにも属さない存在を意識して命名しています。

結成

2014年12月ごろより、ボーカルの池貝とサンプラーとコーラスを担当する篠田が共同で楽曲制作を開始しています。

2015 年3 月に篠田が池貝と後にシンセサイザーとコーラスを担当する杉本を引き合わせ、yahyelとして活動開始しました。さらに、VJ に山田健人、ドラムに大井一彌を迎え、現在は5人組で国内外を問わず活動中です。

メンバー

2017年現在、公式ホームページにはメンバーのプロフィールに該当する情報がなにも載っていません。理由としては彼らのスタンスとして、個人的な情報を排除した身体性にとらわれない匿名性の高い音楽活動を行っていることが挙げられるでしょう。

中心メンバーの池貝、篠田、杉本は海外に在住した経験があり、日本という枠組み、また、日本人という枠を超えた活動を目指しています。年齢もホームページには記載はありませんが、初期メンバーの3人の平均年齢は23歳だそうです。

噂によるとメンバーの中には複数人、慶應義塾大学出身の学生がいるようです。現役時代には三田キャンパスの喫煙所によくいたそう。海外経験が豊富と言うことも頷けますね。

 

ボーカル 池貝峻

ブルースの影響を感じさせる高い歌唱能力と、特異な狂気性をはらんだ作詞能力を兼ね備えたボーカルの池貝。アメリカのモンタナとスウェーデンで過ごした経験があり、当時アメリカでは本場のブルースに傾倒、スウェーデン時代は主にコペンハーゲンのクラブに出入りしていました。

音楽を始めた当初から作曲を行っており、ボイスメールに何百とデモを作成しながら自身の音楽性を広げていったそうです。また、英語を用いたシニカルなイメージのある作詞の面では、ニック・ドレイクやトム・ウェイツの影響を受けたそうで、特にトム・ウェイツに関して、本人曰く、「東京にはない感じの退廃的な生活をしている人たちのポートレートみたい」と評しており、池貝が持つ独特な世界観の構築に影を落としているように感じられます。

 

サンプリング 篠田ミル

池貝と杉本が作成したデモに対して、多彩な音色を選択して現代の音楽のコンテクスト(文脈・背景)を表現する篠田。また、メンバーからも「コンテクストの整理という部分ではミルくんがかなり力になってくれています」と評される通り、様々な音楽の文脈を整理しながら、それらを新しい形で接続するディレクターのような役割を担っています。

高校生のときには、ガレージロック・リバイバルに触発されて、初期衝動的にバンドを開始、当時はストロークスなどを演奏していたといいます。また、コンセプチュアルアート(※)への造詣も深く、マン・レイやデュシャンの作品に感化、作品として成立することの意味を、自身の音楽的ルーツである、ポストパンクやニューウェーブと比較して考えていたという。こういった他のアーティストにはない篠田の背景がyahyelの独特な音楽性構築に一役買っているのでしょう。

※コンセプチュアルアートとは、1960~1970年代にかけて流行した現代芸術の一派。現代でもその潮流は引き継がれており、一般的な作品のように対象物の外的な特徴を作品に映し出すのではなく、それの核となっている観念や思想を作品に映し出す手法。

 

シンセサイザー 杉本亘

シンセサイザーではありますが、池貝から投げられたデモ曲を元にトラックメイキングを杉本が行っています。「僕のトラックメイカーとしてのサウンドの分析」と自身で語っている通り、池貝が提示したデモ曲に最新の音楽の匂いや質感を与える役割を担っています。

アメリカのロサンゼルス生まれ、ワシントン育ちで、高校時にニルヴァーナのカヴァーで音楽をスタート。当時から作曲も担当しており、プロデュース能力にも長けているのではないでしょうか。また、ドラム担当の大井とは別バンド「DATS」ではボーカルとして活動しており、そちらはyahyelに比べフィジカルな音楽制作を意識しているそうです。

 

VJ 山田健人

dutch_tokyoの名前で、Suchmosや篠崎愛、最近では宇多田ヒカルの「忘却 featuring KOHH」のMVを手掛ける新進気鋭の映像作家。yahyelではライブVJとMVの両方を担当。ほかにもtempalay、umber session tribeやYogee New Wavesなど、勢いのある若手ミュージシャンのMVを年間で20本近く手がけ、撮影から編集まで一人で制作するのが特徴。

yahyelのライブでは、映像をメンバーごとステージ上に投影し、自身もステージに上がってパフォーマンスを行います。VJを行うことで、バンドのテーマである「匿名性」を高め、具体的な身体性を喪失させる役割を担っているそうです。

 

Dr. 大井一彌

杉本と別バンド「DATS」でもタッグを組む新字体のドラマー。yahyelの楽曲は、肉体的にビート刻むというより、システム的なリズムや無機質な音像であることが多いが、それを人間の肉体を通すことで有機的に変質させる役割を担っています。

 

活動拠点

メンバー全員が東京に住んでいますが海外レーベル「Beat Records」に在籍し、国内外という境界にとらわれない独自の活動を展開しています。また、欧州ツアーなどもすでに経験しており、将来的には欧州のシーンへも進出したいとも語っています。

 

所属レーベル

Beat Records
海外レーベルで歴史も長く、前衛的な在籍アーティストも多いです。他の所属アーティストは原摩利彦、under world、spoonなど。

 

音楽性

ジャンル

ジェイムス・ブレイク以降のポスト・ダブステップの文脈を感じるトラックに、R&Bの歌声を取り入れた最新の洋楽ポップススタイルをyahyelは持っています。独自の、という表現よりも、世界の先端にあるポップミュージックを、東京で表現している、といった印象です。それは「バンドが世界に進出していくというよりも、世界で起こっていることをバンドに取り入れることによって、自分たちのいる場所でどう活性化していくかっていうこと」という彼らの言葉からも見て取ることができるでしょう。

とかく独自性が良いものとして紹介されることの多いインディーズシーンにおいて、「世界で起こっていること」を、正確にインプットして、自身の音楽へとアウトプットする、極めてスタンダードなスタンスで音楽に取り組んでいるのが特徴です。

音楽の内容について簡単にまとめると、極端に個人性、パーソナルな表現を排除する傾向があり、無機的で硬質な世界観が一貫しています。ビートは最先端のビートミュージックに根差しており、ゆらぎのある跳ねたビートや、切り刻まれたようなリズムの積み重ね方は、近年のヒップホップやジャズシーンに興味がある人間には「おっ」と思うところが多いのではないでしょうか。

それでも、あくまでポップスとしてご紹介しているのは、歌に対するアティチュード(態度・考え方)がソウルフルだからです。音色の加工によって、声の質感は無機質に変容しているのですが、歌っている池貝の呼吸まで聞こえてくるような、本格的なR&Bシンガーの匂いがyehyelには確かにあり、この相反する2つの要素をミックスするバランス感覚が、楽曲を聴いていてリスナーを気持ちよくさせるポイントだと思います。

 

傑出したサウンド面が強調されがちですが、本人たちとしては歌そのもののポップさに注目してほしいという思いも強いそうです。歌詞はすべて英詩で、パッと聞いただけではわかりにくいのですが、暗喩や色彩で表現された世界観は、どこか狂気をはらんだ内容もあり、知れば知るほど奥が深い印象です。また、これらの歌詞と音像から、制作されているMVもまた世界観が統一されており、音・歌・映像まですべてがyahyleの世界には必要不可欠なのでしょう。

 

影響を受けたアーティスト

yahyelは、スキのない完成度で構築されたバンド世界を持っているので、一概には断定がしづらいバンドだと思います。全員に共通するミュージシャンとして、歌を軸としながらサウンドはエレクトロやヒップホップの文脈を取り入れている「チェット・フェイカー」に「SBTRKT」、そして「ジェイムス・ブレイク」を挙げています。

 

チェット・フェイカー

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