ドラキュラなどのゴシックホラーのダークな世界をテーマにしたジャンルです。哲学的な歌詞とダークなサウンドに黒づくめの衣装と白いメイク。折り重なるギター音とエコーが特徴的な、アンダーグラウンドなサウンドです。
バウハウスのシングル「Bela Lugosi’s Dead」とシスターズ・オブ・マーシーは、ゴスの元祖と言われています。スージー&ザ・バンシーズやザ・キュアーのシングルがチャートトップ入りし、ゴシックがサブカルチャーとして発展し始めます。
マッドチェスター
1982年、マンチェスターにオープンしたナイトクラブ「ハシエンダ」と、ハッピーマンデイズやニューオーダーが在籍したファクトリー・レコードを中心とした現象です。当時はハウスが流行しており、サイケデリックとダンスミュージックを融合したマンチェスターでは、セカンド・サマー・オブ・ラブと言われるダンスブームが起こりました。1960年代のギターポップから影響を受けたストーンローゼズがブームの中心となります。
目次
1990年代 ロックの多様化とクールブリタニア
シューゲイザー
1980年代後半から1990年代前半、ステージ上で靴(shoe)を見つめる(gazing)様に演奏するバンドが現れます。囁くような暗いボーカルと、歪んだギター音を重複させ、エフェクターを使用した幻想的な音楽。1988年クリエイションがレーベル初のリリースとなるマイ・ブラディ・バレンタインのEP「You Made Me Realise」を発表。この後同レーベルからバンドが続出します。
ブリットポップ
1990年代半ば、暗いシューゲイザーや米国のグランジに飽き飽きした英国人達は、イギリスらしい歌詞とサウンドを演奏する伝統的なブリティッシュ・ロックヒーローを求めていました。その結果、ビートルズVSストーンズの再来とも言われたブラーとオアシスという最高の国民的ギターバンドが現れ、国中を巻き込んだ「クール・ブリタニア」の時代が始まるのです。
ポストブリットポップ
1990年代後半になると、ビートルズやストーンズなどに影響を受けた、英国の伝統ロックの要素を持つギターバンドが頭角を現し始めます。代表的なのは、世界的に大ヒットした1997年ザ・ヴァ―ヴのアルバム「アーバン・ヒムズ」です。レディオヘッドやミューズ、コールドプレイなど将来の大物バンドが現れ始めたのもこの頃でした。
2000年代 リバイバルによるロック史の再解釈
ガレージロックリバイバル ポストパンクリバイバル
1960年代のロックやポストパンクから影響を受けたシンプルなロックです。ザ・ストロークスが本国アメリカより先にイギリスでブレイクしたのを筆頭に、スコットランドのフランツ・フェルディナンドのポップなダンスチューンが大ヒット。シェフィールドの日常を歌ったアークティック・モンキーズはダウンロード世代によって瞬く間にスターとなります。
ニューレイブ
シンセポップやエレクトロニカのダンスミュージックとガレージやパンクなどのロックからのあらゆる要素を融合させたジャンルがニューレイブ。2007年にクラクソンズが「近未来の神話(Myths Of The Near Future)」でアルバムデビュー。大ヒットと共に、マッドチェスターを思い出させるレイヴムーブメントが始まります。
エレクトロニカにUKロックの要素を凝縮させたカサビアンは、2009年のアルバム「West Ryder Pauper Lunatic Asylum」が全英チャート1位に輝きます。
2010年以降 インディーズの伝統を継承
シンセポップの影響を得たホットチップや、ドリームポップのザ・エックス・エックス、インディーロックのザ・フォールズ、アートロックのアルトジェイやエヴリシング・エヴリシングなど、英国の伝統を受け継いだそれぞれ個性のあるインディー・バンドが活躍しています。
UKロックの特徴
では、このような多様なジャンルが変遷してきたUKロックの大まかな特徴とは一体何なのでしょうか。このトピックでは、UKロック独自の音楽性や他の音楽との違いについて解説していきます。
UKロックの音楽性
イギリスの気候は一年中曇りがちで、霧が多くどんよりしています。そういったものが影響されいるのか、彼等の作る音楽はどちらかというと内省的で暗いものが多いように思えます。歌詞は英国人らしく、皮肉やウィットに富んだものが多いのも特徴です。
UKロックとは、元々アメリカ生まれのブルースをイギリスの白人バンドがロックという形に作り替えたものです。パンクやサイケデリックなどもアメリカが発祥地ですが、そういったものを上手く取り入れながら英国独特のロックを作り上げて来ました。音楽と共にファッションもカルチャーとして注目されています。ワイト島やグラストンベリーなどのロックフェスティバルは、決して欠かせない文化として強く根付いています。
ブリティッシュロックとの違い
日本では70年代後半頃までに活躍したバンドをブリティッシュロックと呼んでいました。セックス・ピストルズやクラッシュなどのパンクバンドが現れると同時に、それまでまるで恐竜の様になりつつあったロック界が一気にポップになります。以降はニューウエイヴ世代と呼ばれ、重いブリティッシュロックの皮を脱いでUKロックと呼ばれるように変化していきます。時代的に大まかにいえばローリングストーンズやディープパープル、レッド・ツェッペリンなどまでがブリティッシュロックで、ザ・ポリスやクラッシュからはUKロックといったあたりでしょうか。
USロックとの違い
アメリカのロックも始まりはブルースやゴスペルなどの黒人音楽です。エルビス・プレスリーがロックンロールを歌い、白人ロック歌手として初めて成功します。カリフォルニアでサーフロックが生れ、ブリティッシュ・インヴェイジョンに影響を受けたキッズがガレージロックを始めます。フォークロックやサイケデリックがあり、南部ではブルース色の濃いサザンロックが誕生します。モータウンの街デトロイトからMC5やアリス・クーパーが現れ、ニューヨークでパンクやアートロックが誕生します。ヴァン・ヘイレンの登場と共にへヴィメタルが流行。オルタナティブロックやグランジが発祥し、アメリカで生まれたラップを取り入れたラップロック、コンピューターを駆使したエレクトロニック・ロックへと流れていきました。
1980年代にはアリーナロックと呼ばれる、ジャーニーやTOTOなどの国民的ロックバンドがチャートを賑わし、スタジアム級のライブを行うなど商業的成功を収めました。日本では彼らを産業ロックと呼ぶこともありました。
国土の広いアメリカでは、地域の特性によって生まれる音楽も違ってくるようです。伝統であるカントリー、ブルース、フォークに始まり、サーフ、ガレージのリバイバルを音楽に取り入れるなど、形態は様々です。ラップやヒップホップアーティストが、ロックの名曲をサンプリングに使用する事でリバイバルヒットするという現象も起きています。
全体的にアメリカは大らかで明るく、イギリスは内省的で皮肉家という印象がありますが、必ずしもそういった限りでは無いようです。ロックが誕生してから、アメリカもイギリスもお互いが良い刺激を受け合い、自分達なりに吸収したものを最高の形で表現した結果、素晴らしい音楽が生れ続けているのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
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