字面からは全く格好良さを感じさせない歌詞ですが、それがこのバンドのヴォーカルにかかると異常な攻撃性と音圧を醸し出し、そこが最高に格好良いのです。フラットバッカーが活躍した期間は1980年代後半の短い時期になってしまったのは非常に残念ですが、今でも「戦争」ほど暴れ出したくなるような攻撃的な気分にさせてくれるアルバムはそうそう存在しないのではないでしょうか。
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DELUHI
活動期間こそ短かったものの、隠れた若手実力派バンドとして知られるデルヒ。2006年から約5年間という短い期間の活動でしたが、近年のハードロック、ヴィジュアル系に多大な影響を与えたバンドです。
見た目こそヴィジュアル系バンドの風貌ですが、バンドの奏でる音楽は紛れもなく正統派のハードロック・ヘヴィメタルです。特にギターのLedaのテクニックはまさに圧巻。ギターソロで魅せる泣きのギターや速弾きの技術は、若手とは思えないほどです。
演奏面ではギターばかりが目立ってしまいがちですが、ドラムのsujkの演奏全体を支える技術も必見。確実なビートを刻むそのテクニックは一長一短に掴み取れるものではありません。
アルバムは彼らの活動歴の中では数少ないミニアルバム「ユグドアライヴーYggdalive- [ DELUHI ]」をおすすめします。
厚みのある本格的な演奏もさることながら、どこか瑞々しさやキラキラ感のあるサウンドには聴いていて何とも言えない爽快感があります。曲の合間に入るシャウトの応酬や、ライブ会場のフロアを連想させるような曲構成も取っつきやすさがあります。最後はバラードでしっとり締めるという点にも、バンドの世界観の幅広さを感じさせてくれます。
このような本格的でありながらも爽やかさのあるサウンドは、まさに当時のデルヒにしか出せない魅力だったと思います。もっとバンドとしてのこの先の成長が見たかっただけに、フルアルバムを出さないまま解散してしまったのはとても残念です。
リリースされた音源こそ少ないですが、隠れた若手名バンドの音楽を体感してみてください。
NIGHTHAWKS
元自衛隊員という異色の経歴を持つボーカル&ギターの青木秀一が中心となって結成されたのがこのナイトホークス。青木秀一は身長190センチ、体重100キロ以上とも言われる巨体でデヴィッド・カヴァデールを彷彿させるかのような声量のあるブルージーな声を持つ個性派でした。しかし、そのサウンドは意外にも歌謡曲をベースとしたハードロックで、このジャンルに聞きなじみがない方でも容易に聴くことができるでしょう。
中でも1994年発売のベストアルバム「THE MIDNIGHT HAWKS – ナイト・ホークス」は過去のアルバムからの作品をXのTOSHIがプロデューサーとしてセレクトした作品。ナイトホークスの代表曲が多数収録されています。ソウルフルな青木秀一のボーカルとギターにハードでメロディアスなサウンドが融合したジャパニーズハードロックの名盤と言えるでしょう。
LOUDNESS
ラウドネスは日本のヘヴィメタル・ハードロックバンド。1981年に活動開始、何回ものメンバーチェンジを経て現在も活動を続けています。
今回ラウドネスを選んだ理由は何といっても、1980年代の日本のハードロックを牽引したグループであり、その存在は現在のロックバンドに数多く影響されているからです。ハードロックを聴く人ならば名前だけでも知るべきでしょう。日本人で初のマディソンスクエアガーデン公演でも良く知られていますが、日本でのライブもその熱狂的な演奏は毎回感動ものでした。
特に二井原実の高音ボーカル、高崎晃が奏でるギターテクニックはまさにプロ中のプロ。大満足の演奏でした。
今回おすすめしたいアルバムは「HURRICANE EYES(Japanese Version) [ LOUDNESS ]」。これは、最初アメリカで発売された後、その約半年後に日本でJAPANヴァージョンとして発売されています。私は日本語をあてはめたアルバムには少し違和感を感じており、最初に発売されたオリジナルヴァージョンがおすすめです。
9mm Parabellum Bullet
「9ミリ」の愛称で知られる9ミリパラベラムバレット。日本の4ピースロックバンドであり2004年から現在まで活動を続けています。
ハードロックとは様々な解釈があるかとは思いますが、個人的には歪んだギターがガンガン響くイメージ。9mmはまさにそのイメージを体現しています。ボーカル、ツインギター、ベース、ドラムというオーソドックスなロック編成を取っていますが、どのパートも魅力的。特にギターの音が特徴的なので印象に残るかと思います。初めて聴いた時はここまでギターが前に出て来て良いのだろうか?と戸惑いすら覚えたものです。しかし、はまったら最後。そのギターに夢中になってしまいます。
そんな9mmのアルバムでオススメを挙げるなら「Dawning [ 9mm Parabellum Bullet ]」というアルバム。もちろんどのアルバムも良いのですが、ハードロックという観点では、彼らの比較的新しいアルバムでもあるこの作品がふさわしいのではないでしょうか。他のアルバムではエフェクターを駆使して多彩な音色を奏でるのですが、この作品ではあまり多くの音色は使っておらず、重めの音づくりが成されてるように感じます。
また、リフも今までの曲よりも低めの音が多いのも特徴的です。ハードロックとして聴くととにかくクセになります。だからといって、まるっきり重い楽曲だけではなく、今までの9mmにもあった、思わず口ずさみたくなるリフや叙情的だったり言葉遊びがあったりする歌詞もまた魅力になっているアルバムに仕上がっています。