maco maretsとは 緩く流れるようなラップを展開する21歳の凄腕MCを紹介します

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緩く流れるように展開するラップの中に確かなセンスを感じさせる弱冠21歳の凄腕MC、maco maretsを紹介します。

[出典:maco maret公式twitterより]

プロフィール

メンバー
maco marets(MC)

経歴
1995年 福岡県にて生まれる
2013年 上京し、bua名義で本格的な音楽活動を開始
2016年 名義をmaco maretsに変更し、6月にファーストアルバム「Orang Pendek」をリリース。
2016年12月 デジタルシングル「Hum!」を配信。

所属レーベル
Rallye Labelというインディーズレーベルに所属しています。他の所属アーティストには、Lucky Tapes、YeYe、sugar meがいます。

活動拠点&ライブ
東京・中目黒を中心に活動。「TAUNTAUN」「BINKS」などのパーティーを主催し、積極的に活動する傍ら、コンスタントにライブにも出演し、「韻シストBAND」「メローイエロー」「Olive Oil」「環Roy」などと共演しています。ライブではアルバム同様、緩やかなフロウで心地よい空気を作り出しています。ライブでもテンションを過剰に上げる事なくクオリティを保てる点は、20代とは思えない落ち着きぶりですね。

音楽性

現代のラップはエミネムなどの台頭を契機に、様々なジャンルを取り込みながら複雑化する傾向にありますが、maco maretsのラップは原点に立ち返ったかのような実直なフロウに溢れています。曲中に歌が入ったり、別ジャンルの要素がミックスされたりする事はなく、緩やかなラップをただひたすらにフロウし続ける音楽は非常に中毒性があります。
一方、そのフロウスタイルに反してそのバックミュージックは、ヒップホップのオールドスクールにおけるダンスミュージックの要素や、レゲエラップのようなアクセントを重視した特徴的なリズムもありません。ジャズを基盤にメロウに展開する曲が多く見られ、それらも過度にアレンジされる事はなくシンプルな楽器構成の中で、あくまでラップ中心の音楽に徹しています。

影響を受けたアーティスト

maco marets自身がサイト内で「Orang.Pendek(ファーストアルバム)と並べて直に繋がっている感覚があるかも、と思ったラップ・アーティストの三曲」を挙げているので、それらを中心に紹介していきたいと思います。
[引用:http://spincoaster.com/rootscoaster-vol-114-maco-marets]

 

Small Circle Of Friends
「もしSCOFと出会っていなかったら、今のようにラップをしていることも無かったと思います。」というくらい、本人が影響を語っています。

SCOFは、男女二人のヒップホップユニットです。

メンバーは、
ムトウ サツキ(ヴォーカル)
アズマ リキ(ラップ、ヴォーカル、プログラミング)

MC二人ですが、ラップパートを男声であるアズマリキが担当し、歌唱を女声のムトウサツキが担っており、役割がはっきりと分かれています。こういった、楽曲の中でラップと歌唱をミックスさせるやり方は日本でも珍しくはありませんが、歌とラップで曲の雰囲気が変わりすぎてつながりが感じられず、合わせる意味を見出しにくいユニットが多い事も事実です。
しかし、彼らの場合はバックミュージックをほとんど変えずに、どちらのパートでもしっくりと馴染む楽曲が多く、歌とラップの切り替わりがとても自然です。フロウで作り出した柔らかな雰囲気を歌がそのまま押し上げていくような、くっきりとした輪郭を持ったサウンドは、とても開放的な気分にさせてくれます。
maco maretsの楽曲において、ゆるやかなフロウの中でもしっかりとしたメリハリが存在するのは、彼らから受け継いだスタイルと言ってもよいでしょうね。

おすすめ曲「波よせて」「Pass THE MIC」

 

Rizzle Kicks
メンバーは、
ジョーダン・ステファンズ(MC)
ハーレー・アレクサンダー・スール(MC)

Rizzle Kicksは、イギリスのヒップホップデュオです。2011年に発売したデビューアルバム「Streo Typical」がUK R&B アルバムチャートでいきなり1位を記録し、ヒップホップ界の新たなカリスマとなっています。そのスタイルはポップながらも腰の据わった安定感のあるラップ。しかし、どこかコミカルさも内包したサウンドは、とても楽しく聴く事ができます。
maco maretsも「お茶目でおとぼけ、それでいてクールな空気感が大好き」と語り、リスペクトを表しています。
自身の楽曲はもちろん素晴らしい彼らですが、もう一つの魅力は他アーティストのリミックス。「Call It What You Want(Foster The Pople)」「Old Yellow Bricks(Arctic Monkeys)」などの超有名曲をセンス良くアレンジし、好評を博しています。
ジャンル的にはmaco maretsとすべてが一致する訳ではありませんが、他ジャンルの楽曲と合わせても、自分の力を遺憾なく発揮できるという点では、共通していると言えますね。

おすすめ曲 「Miss Cigarette」「Call It What You Want- Rizzle Kicks Remix」

 

5lack×Olive Oil
5lack、Olive Oilのコラボ曲、「早朝の戦士」を影響を受けた楽曲として挙げています。

5lack
別名S.L.A.C.K。
PSG、SICK TEAMのメンバーとしても活動しています。朴訥した外見とは裏腹に彼によって紡がれるラップは、グルーブ感に溢れたセンス満載のものです。脱力してフロウしながらも、強いメッセージを伝えらえれる点は、maco maretsと共通していると言えますね。

Olive Oil
maco maretsの地元、福岡で活動するDJ/トラックメイカーです。
1997年に単身でアメリカへ渡り、マイアミ、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどを渡り歩き、2002年に帰国、雑誌「REMIX」でNujabes(ヌジャベス)に2003年のベストDJに挙げられ、2004年に「LIBYUS MUSIC」、「ROMZ」 のレーベルコンピレーションアルバムに参加、2005年に12インチシングルと、Ramb Camp(ランブ・キャンプ)のFreez(フリーズ)とのユニットであるEl Nino(エル・ニーノ)のアナログをリリースしています。他にも自身作のトラックを収録したミックスCDのリリース、Ramb Camp(ランブ・キャンプ)や、Brainhacker(ブレインハッカー)などのプロデュース、Big Joe(ビッグ・ジョー)の「Lost Dope」のリミックスなど活発な活動を展開しています。
[引用:http://hiphopguide.jp/cgi-local/archives/080japan/394o/000355.html]

そんな彼の特徴は、自然なトラックメイキング。有名曲をサンプリングしながらも、違和感なくラップの中に溶け込ませる技術は秀逸です。そのためか、上記の5lackやKOJOE、FREEZEなどと数多くのコラボ作品を制作し、好評を博しています。
maco maretsも「地元・福岡で遊んでいる時とか、いつもOliveさんのビートがかかってて。この曲もめちゃくちゃリピートして聴いてました。「とりあえずヤバい」みたいな。そんな感覚は忘れられないです」と語っており、若かった彼の心に大きな衝撃を植えつけた人物と言えそうですね。

以上、3アーティスト。それぞれ特徴の違うミュージシャンではありますが、maco maretsが彼らを評して「うるさくなくて、サラっとしていて、かろやかなユーモアもあって。それでいてタフなマインドを併せ持っているような…そんなスタイルに憧れます」と言うように、彼の音楽に対する姿勢に多大な影響を与えていることは間違いないですね。そのスタイルはそのまま「Orang Pendek」という作品に落とし込まれ、彼の憧れを体現しています。

おすすめアルバムを紹介

「Orang Pendek」
maco maretsの記念すべきファーストアルバムです。「波よせて」などの楽曲で知られるSmall Circle of Friendsの東里起が全面プロデュースを担当し、実直なフロウと緩やかに展開するメロウな曲調で構成された全10曲は、maco maretsが何者であるのかという事を十二分に伝える強烈な名刺となっています。

アルバム楽曲紹介

Room 203

オープニング曲。クリックに加わる楽器はピアノのみのシンプルな構成です。そのピアノも強く主張する事はなく、あくまで主役は、maco marets のラップです。その語られる内容は、いつもの朝の風景。寝ぼけまなこで起き出して、朝食を食べながら、お気に入りの音楽を聴く。そこにびっくりするような事件は一切登場せず、歌詞通り「一日のルーティーン」の曲です。しかし、つい聞き入ってしまう魅力を持っています。それは、彼の言葉選びのセンスと、丁寧に踏まれる韻。そして、何よりこうしたゆるやかな日常を表現するのに彼の声がとてもマッチしているからでしょう。

S.N.S

ジャジーな曲調で構成される曲です。BGMの雰囲気に反して、フロウの内容は社会批判を中心とした尖がったものです。ある意味、ヒップホップの王道とも言える歌詞内容は「こういう事もちゃんとできるんだよ」という彼の主張のようにも感じます。

Leakage

ターンテーブルを中心とした音作りで、ヒップホップらしい曲と言えますね。ようやく、というかスクラッチも登場します。サビのリフレインは、盛り上げるように歌って観客とシンガロングできそうなメロディーですが、本人にそんな気はさらさら無いらしく、雰囲気を保って静かにフロウしています。アルバム全体の色を考えるならば、確実にこちらの方がしっくりと馴染むので、安易にテンションを上げない彼のスタイルに思わず感心してしまいます。本当に20代なんでしょうか(笑)?

Crunky leaves

リバーブの効いたギターのアルペジオに合わせてメロウに展開する曲です。サビは半分ラップ、半分歌のような静かな旋律が繰り返されます。メロディーに変化があっても、曲の雰囲気に変化はなく、丁寧なフロウに徹しています。歌詞にあるように、まさに『枯れ葉を踏むようなリズム』で、せつなく静かに刻まれていく良曲ですね。

sutekina

管楽器、ウッドベースと、ジャズを思わせる楽器構成ですが、そのサウンドはこのアルバムのプロデュース務め、maco maretsも敬愛している東 里起(Small Circle of Friends)を彷彿とさせるもので、開放的にさわやかに展開します。2分程度の短い曲ですが、十分に存在感のある曲ですね。

Peppermint

一転して、ギターアルペジオのみのシンプルな構成です。このアルバムでは珍しく決まったメロディーのあるサビが登場します。かといって、変に歌ものような曲になってしまう事はなく、しっかりとラップを披露した後にアクセントを付けるように歌に移行するので、むしろ楽曲にしまりがでて良い塩梅のアレンジになっています。

under the bed

この曲の聴きどころは、何といってもライムでしょう。日本語歌詞と英語歌詞を絶妙に混ぜて丁寧に韻を踏んでいきます。sutekinaよりもさらに短い1分程度の曲ですが、ラッパーとしての彼の地力が見える曲ですね。

XL

(彼にしては)速足のラップで展開される曲ですが、後ろで流れる演奏は静かなジャズであり、しかもウッドベースもピアノも拍子にかっちりと合わせず、かなり自由な演奏をしています。しかし、こんな不安定なバックミュージックの上でも彼のラップは難なく乗りこなしていきます。アルバム全体にも言える事ですが、彼の曲はラップを抜くとヒップホップを全く感じさせない曲構成がとても多いです。聴き始めは、ラップをするには曲が合わないと感じますが、終わる頃には「これがベストだ」と納得させてしまう力業は、他のラッパーと比べても異質な才能と言えますね。

Daybreak

ギターとクリックのみの楽器構成で、シンプルにラップが紡がれていきます。彼のラップが入っているものとしては、アルバム最後のトラックです。ゆるやかな朝を歌ったRoom 203に始まり、一日のちょっとした変化を丁寧に語り続けたアルバム「Orang Pendek」が、歌いながらただ朝を待つDaybreakで静かに幕を閉じます。アルバム通しての曲順にとても巧みさを感じますね。Daybreak中にある「本当の朝が来るまで 一人で歌っていようか」という歌詞はこのアルバムを通して聴いた後にはまた格別な響きを持ちます。

be home

ジャズピアノのみで構成され、ラップは登場しません。静かな余韻の中で終了し、とても穏やかな気分になれる最後にふさわしい曲ですね。

おすすめ曲を紹介

「Crunchy Leaves」「sutekina」「Daybreak」

一応、おすすめ曲は挙げましたが、アルバムを通して聴く事を強くお勧めします。なぜならこのアルバムは、もちろん曲ごとに特徴はありますが、アルバム全体で曲調に一貫性があり、ひとつなぎの作品のようにも感じられます。そして、アルバムを通して聴く事で、まるで映画のようにストーリーを楽しみながら聴く事ができます。再生時間も30分と短いので、ふと空いた時間にのんびりと聴くと最高のブレイクタイムを過ごせると思いますよ。

最新アルバム「Orang.Pendek [ MACO MARETS ]」の詳細や評価はこちら

最新ライブ情報

1.21 HMBC @シネマアミーゴ
1.22 Terminal-H @恵比寿batica
2.4 TBA
2.11 LIFE @渋谷RUBYROOM
2.18 Bribgly-Up @渋谷LUSH

[引用:https://twitter.com/macomarets]

maco marets好きにおすすめのアーティスト

OTOGIBANASHI’S

メンバー
Bim(ビム)
in-d(インディー)
PalBedStock(パルベッドストック)

ささやくように紡がれる繊細なラップは、とても近いものがありますね。一見、ラップに向かないような音楽をセンス良く編集し展開できるという点もmaco maretsと類似する点です。

おすすめアルバム「BUSINESS CLASS」

 

The Notorious B.I.G

メンバー
B.I.G (MC)

言わずと知れたヒップホップ界のレジェンドです。ジャンルも国もスタイルもmaco maretsと何もかも違うようですが、ラップに純化して突き詰めていくmaco maretsのサウンドを聴くと、同じく混じりっ気なしのヒップホップで急激にのし上がったビギーの姿と印象がかぶる瞬間があります。ビギーは24歳という若さで不可解な死を遂げたため、活動期間は非常に短いですが、その間にリリースされたアルバムは高い完成度を誇り、今なおヒップホップ界では人気を博しています。ラップの歴史を知る意味でも、もちろん純粋なヒップホップ音楽としてもおすすめなアーティストです。

おすすめアルバム「ready to die」

 

Small Circle Of Friends

「影響を受けたアーティスト」の項目でも紹介しましたが、maco maretsを気に入るならば、間違いなくこのユニットも好きになると思います。飾らないサウンドと、穏やかな声音のラップで柔らかい雰囲気を醸し出す一方で、音触にこだわったストイックな音作りをしており、ライトに聞きたいリスナーにもこだわって聴きたいヘビーなリスナーにもおすすめです。
maco maretsには歌パートはありませんが、緩やかで開放感のあるサウンドや日常の変化を繊細に伝えていくスタイルは、間違いなく彼らと同じベクトルの魅力と言えます。

おすすめアルバム「WONDER」」

まとめ

いかがだったでしょうか?
ラップと一言で言っても、1970年の誕生以来、その姿は多種多様な音楽と融合し、簡単にカテゴライズできるジャンルではなくなってきています。様々なジャンルを吸収する過程で、トラックメイク技術も進み、ゴージャスなアレンジが可能となった現代において、maco maretsの音楽はとても素直で、素朴に映ります。ですが、決して貧相な印象ではなく、むしろラップ本来の姿をまざまざと見せつけてくれるような、芯の強さを感じます。年齢も若い彼が、これからのジャパニーズラップを盛り上げる担い手の一人となっていく事は間違いないでしょう。
その一方で、耳馴染みの良い優しいサウンドは、ラップを意識しなくてもBGMとして十分に魅力的な音です。ラップというジャンルに留まらず、広く音楽シーンに展開できるサウンドと言えるでしょう。
ラップに興味がある方も無い方も、どちらにもおすすめできるmaco marets、是非一度聴いてみられることをおすすめします。

最新アルバム「Orang.Pendek [ MACO MARETS ]」の詳細や評価はこちら

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