ceroとは 他ジャンルの音楽をcero流にアレンジしてしまう彼らのルーツに迫ります

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音楽好きのみなさんこんにちは!
みなさんは、最近話題となっているバンド「cero」をご存じですか?インディーズバンドながらとある超有名テレビ番組に出演したことで、一躍注目を集め、あまり音楽に詳しくなかった人も興味を持ち始めるなど、いま最も注目されているバンドの一つといえるでしょう。これからさらに知名度が上がること間違いなしのバンドです。今のうちにどんなバンドなのか、ここで予習しておきましょう!


[出典:cero official site]

プロフィール

バンド名の由来
バンド名は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の一節にある「やさしいセロのような声」にちなんでいます。作中の「セロ」というのは楽器のチェロのことですが、ボーカルの高城はセロという言葉の響きから神様の名前かと思い込み、それをバンド名としました。そのため正しいスペルは「CELLO」ですが、メンバーはあえて「cero」と表記し、後付けでなんとなく思いついた「Contemporary Exotica Rock Orchestra」の略ということにしたそうです。
因みに「Exotica」は「異国風なもの」という意味ですが、メンバーは「トロピカルなサウンド」と、Exoticaの語源の「外に向かう」という2つの意味で捉えています。

メンバー
・高城晶平(ボーカル、ギター、フルート)
2017年1月現在、阿佐ヶ谷のバー「Roji」にて今でも週に1度はスタッフとして勤めています。(3rdアルバム「Obscure Ride」に「Roji」という曲が収録されています。

・荒内佑(キーボード、サンプラー)
愛称は「アラピー」。祖母は音楽の先生で、家にあったピアノで遊んでいるうちに弾けるようになったんだそうです。

・橋本翼(ギター、クラリネット)
メンバーからは「SEのような音を出す」とよく言われていて、この音がceroの楽曲の雰囲気を作り出しているといっても過言ではありません。ジオラマシーン名義でソロとしても活動しています。

結成当初に在籍していたドラムの柳智之は、イラストレーター業に専念するため2011年に脱退したため、現在の正式メンバーはこの3人編成となっています。こちらに加えてサポートとしてMC.sirafu(トランペット、スティールパン)、あだち麗三郎(サックス、パーカッション、コーラス、ドラム)、厚海義朗(ベース)、光永渉(ドラム)、古川麦(ホルン、トランペット)も参加することもあります。

結成
2004年 東京で結成されました。ただし、バンド自体の結成は2003年でしたが、大学進学などそれぞれ新生活で忙しかったためほとんど活動できず、本格的に活動を始めるまで1年かかったということです。

活動拠点
東京近郊を中心にライブを行っています。全国ツアーはあまり行ってはいませんが、「RISING SUN ROCK FESTIVAL」「ROCK IN JAPAN」「COUNTDOWN JAPAN」など、全国各地の様々なフェスに数多く出演しています。後述しますが、ライブのceroは非常に盛り上がるのでぜひフェスに行ってみてください!

所属レーベル
所属レーベルは「カクバリズム」。他の所属アーティストは、なんとYOUR SONG IS GOODやキセルなど、音楽ファンなら誰もが知っているような人気バンドが在籍しています。さらに、かつては星野源のSAKEROCKも所属していました。どれも最高なアーティストばかりです。

音楽性

ジャンル
基本的に、ソウル色が強いポップソングが多いです。その中でも、スティールパンの音が心地よいトロピカルなリズムの曲があったり、リズムマシーンを使用してラップをしているHIP HOP調の曲があったりと、ジャンル分けするのが難しいのがceroの特徴です。そのほか、最近流行りのシティポップ調の曲もあればファンクナイズドされた曲もあったりと、とにかくいろんなジャンルを吸収して、cero流にアレンジされています。そういう点では、最近の渋谷系の流れを汲んでいるといえるかもしれません。

影響を受けたアーティスト
・ゆず
1996年結成、言わずと知れた2人組のフォークデュオ、ゆず。Ceroのほぼ全てのソングライティングを手がけるボーカルの髙城晶平が初めて買ったCDは、なんと「ゆず」なのだそうです。中学生の頃には、父親のアコースティックギターを借りて「ゆずっぽい曲」を作ることに夢中になったとか。
・フリッパーズ・ギター
1988年、小山田圭吾・井上由紀子・吉田秀作・荒川康伸・小沢健二によって結成された現在の「渋谷系」の源流の1つとも言われているバンド。
フリッパーズギターは、メンバー全員が好んで聴いていたそうです。特に、高城と橋本は高校時代一緒にバンドを組んでおり、ゆずやフリッパーズの影響を受けた曲を演奏していました。因みに当時のバンド名は「コーヒー・フィルター」。
・細野晴臣
エイプリル・フールやはっぴいえんどのベーシストとして知られるベーシストでもあり音楽プロデューサー。
高城と橋本が組んでいたバンドに荒内が興味を持ち、会うことになるのですが、高城に「CDを持って家に来て」と言われて荒内が持って行ったのが細野晴臣の「HOSONO HOUSE」でした。それもまた、メンバー全員が聴いていた1枚だったそうです。

ライブの特徴

チャーミングなユニークさ、ぐっと引き込む演奏力、何より初見の観客も歌えるキャッチーな楽曲が彼らのライブの魅力です。2014年、高橋幸宏主催の野外フェス「WORLD HAPPINESS 2014」に出演しましたが、台風の影響により悪天候のなかのステージでした。冒頭、ボーカルの高城は「こんにちは、TM REVOLUTIONです!」とボケたものの、観客からは「なぜTM?」とポカンとしてしまう人が続出しました(TM REVOLUTIONは強風を受けるPVでお馴染み)。
そんなスタートを切ったものの、バンドとしては珍しいフルートの演奏を始めると、リスナーは一気にステージに釘付けになっていました。激しくビートを刻むような曲はないものの、気がつけば観客は皆気持ちよさそうに身体を揺らして音楽を楽しんでいるよう。また、サックスやパーカッション、トランペットなどを含んだ大所帯編成となるときには、より一層色鮮やかな音色を奏でます。
また、CDでも合唱が入っている曲があるように、観客も思わず口ずさむよう自然に促すのがとても上手いこともceroの魅力の1つでしょう。インタビューでも、「腕組みしてみるよりも歌ってほしい」と語っているだけに、ライブ後の観客の笑顔の割合が高いのです。

 

歌詞

豊富なボキャブラリーと諸芸術の造詣が深く、それらを組み合わせたceroの歌詞は非常にストーリー性が高いといった点でも大変有名です。また、歌詞の中身だけではなく、音楽としてもきちんと機能しています。中身を伴わせようとするとメロディーに言葉を充てている感というのがどうしてもでてきてしまうのですが、ceroは言葉が自然とメロディーになっているような、そんな錯覚すら覚えさせてしまうほど巧みに歌詞を書き上げているのです。

 

その中でも彼らを一躍有名にした「大停電の夜に」という楽曲。この曲の中で登場人物達は日常における普通を非現実的な状況下で行っていきます。

 

大停電の夜に

君は手紙書く手をとめ

窓を開けて目を閉じ

街のざわざわに聞き入る

 

不思議な夜に

君は懐中電灯 燈しつつ

今宵の風の冷たさに

今やっと気づくのだ

彼らはこの不思議な大停電の夜に何を思って、何処へ向かうのでしょうか。現実世界のようですが、私たちが生きている世界とは違った現実。どこか抽象的で世界線がうやむやになっている点は楽曲の大きな魅力ともいえます。

 

2ndシングルのOrphansでは前半と後半で語り手が変わります。視点の変更をすることによって浮かび上がってくる状況の描写は、登場人物である男の子と女の子の互いの説明を違和感なく行っています。

終日 霧雨の薄明かりが包む 白夜の火曜

気が狂いそうなわたしは家での計画を実行に移してみる

 

(別の世界では)

2人は姉弟だったのかもね

(別の世界がもし)

砂漠に閉ざされていても大丈夫

青春小説のワンシーンを切り取ったような歌詞ですが、内容を深く考察してみると詩の導入部分から平行世界への言及を匂わせるなど、ここでもやはり日常の中に潜む非現実的を描いているのです。

ceroが影響を受けていると公言しているフリッパーズ・ギター。そのメンバーだった小沢健二が2月22日に約19年ぶりに発売したシングル「流動体について」もまた偶然にも平行世界を歌っています。時代感を捉える力というのもceroの歌詞が評価される理由なのかもしれません。

ここまでceroが描く平行世界に言及しましたが、魅力はそれだけではありません。最新シングル「街の報せ」では日常をドラマチックに魅せています。リスナーそれぞれの”街”が思い浮かぶようなフレーズに胸打たれるリスナーも多いのではないでしょうか。

ファミレスで聞くロイ・ハーグローヴ

国道沿いで買う缶コーヒー 煙草はほどほどに

携帯の充電はとっくにきれたけど

坂道登り 振り返れば 悪くないんだよ

そして滲み出る音楽への愛。私たちの毎日に寄り添う音楽を特別なものではなくありふれたものとして肯定しています。

 

みんなも歳をとり いつかはいなくなるけど

また誰かがやってきて 音楽をかけてくれそう

何度も

 

ヒップホップやネオソウル、アシッドジャズなど多様なルーツを元にアンダーグラウンドな雰囲気を纏いつつ非常にポップで聴き心地の良い楽曲を私たちに提供してくれているcero。今後、どのような視点から歌詞が生み出されていくのか注目したいですね。

 

経歴

リリース&トピックス
2007年、デモテープがムーンライダーズの鈴木慶一の耳に止まり、レコーディング。
鈴木慶一「東京シャイネスボーイ」(strange song book -tribute to haromi hosono 2- 収録)
「青い眼の人形」カバー(「にほんのうた 第二集 収録」リリース。
2011年、1stアルバム「WORLD RECORD」リリース
2012年、2ndアルバム「My Lost City」リリース
2015年、3rdアルバム「Obscure Ride」オリコン初登場8位を記録。
同アルバムは、CDショップ店員が買ってもらいたい1枚を投票で選ぶ「CDショップ大賞」に入賞し、話題となりました。
2016年、「SMAP×SMAP」にゲスト出演し、SMAPとともに「SUMMER SOUL」を演奏し、注目を集めました。香取慎吾さん一押しのアーティストということでの大抜擢で、稲垣吾郎からは「小沢健二やオリジナルラブなど渋谷系を感じさせて、こういうの好き」と評価されました。
「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS BEST ALTERNATIVE ARTIST」を受賞。このとき最も優れたアーティストに贈られる「「ARTIST OF THE YEAR」を受賞したのはドリカム、そのほかの賞では星野源、椎名林檎など名だたるアーティストに並んでの受賞でした。

おすすめアルバム

2016年までに、全国流通しているものとしては3枚のアルバムをリリースしています。

WORLD RECORD
2011年1月26日リリース。レコードとしてリリースした「21世紀の日照りの都に雨が降る」、「 (I found it) Back Beard」が収録されています。ジャケットは奥田民生やキンモクセイなどのジャケットも手掛けた本秀康。

収録曲は全12曲
ワールドレコード
21世紀の日照りの都に雨が降る
入曽
あののか
outdoors
ターミナル
exotic penguin steps (intro)
exotic penguin night
大停電の夜に
マクベス
(I found it) Back Beard
小旅行

My Lost City
2012年10月24日リリース。「cloud nine」「contemporary tokyo cruis」「さん!」に入っている合唱は、twitterで募集した一般の人によるもの。高城が経営している「Roji」で収録すると告知したところ、50人ほど集まったのだそうです。ポップな曲が多いので聴きやすい1枚です。

収録曲は全11曲
水平線のバラード
マウンテン・マウンテン
マイ・ロスト・シティー
cloud nine
大洪水時代
船上パーティー
スマイル
Contemporary Tokyo Cruise
roof
さん!
わたしのすがた

Obscure Ride
2015年5月27日リリース。これまでのアルバムと比べてメロウな曲が多く、よりブラック・ミュージックに傾倒した作品。それでも、楽器一つ一つの演奏力やグルーヴ感はヘッドフォンで聴いてほしいほど素晴らしく、聴けば聴くほどceroの魅力に気付くはず。間違いなくceroを代表する1枚といえます。

収録曲は全13曲
C.E.R.O
Yellow Magus(Obscure)
Elephant Ghost
Summer Soul
Rewind Interlude
ticktack
Orphans
Roji
DRIFTIN’
夜去
Wayang Park Banquet
Narcolepsy Driver
FALLIN’

ceroを知るならこの3曲!

Orphans
2ndシングル。イントロのメロディーが印象的なアーバンソウル。クラリネットやトランペットなどの管楽器が加わることでさらにムーディーな雰囲気を醸し出しています。インスト盤はFM岩手の夕方ワイド「Posh!」にもBGMとして使用されています。

Contemporary Tokyo Cruise
足踏みしたくなるようなリズムから始まるこの曲には、先述した通り一般の人による合唱が使われていて、それが何とも言えない多幸感を表現しています。そんなポップでファンタジーな曲調ですが、歌詞の意味というと一説では東京視点から見た東日本大震災を想う気持ちを綴ったものとも言われており、それはceroなりの鎮魂歌と言えるのかもしれません。

Summer Soul
「SMAP×SMAP」でも演奏された曲なので、この曲でceroを知った人も多いのではないでしょうか。フルートの音色がメロウです。耳を澄ましてみると全編に渡ってノイズが聴こえているのですが、これはレコードの針の音で、後半に収録されている「Roji」の一節に登場するレコード、という設定。

最新情報

2016年12月7日にNEWシングル「街の報せ」、LIVE DVD&Blu-ray『Outdoors』をリリースしました。日比谷野外音楽堂で行われたLIVE映像は必見です!

ceroを聴いたらこちらもチェック!おすすめアーティスト3選

bonobos
2001年に結成されたバンド。何度かのメンバー交代を経て現在は5人編成。代表曲は「THANK YOU FOR THE MUSIC」など。
声質や歌い方が、bonobosの蔡忠浩にどことなく似ています。bonobosもまた、フルートなど様々な楽器を使用していて、共通した世界観があります。

KIRINJI
1996年、堀込高樹・泰行の兄弟によって結成されたバンド。代表曲は「Drifter」「エイリアンズ」など。2013年、弟である泰行が脱退しソロプロジェクトとなるが、現在では男女混合の6人編成となっています。
代表曲「エイリアンズ」などのように、アーバンソウルテイストの曲も多いKIRINJI。6人編成ではありますが、ライブではさらにサポートが増えることもあり、様々な楽器が演奏されます。そんないろんな楽器の音色が聴けるステージにも注目です。

冨田ラボ
本名は冨田恵一。音楽プロデューサーとしてのほか、ボーカルゲストを迎えて自身の作品もリリースしています。中島美嘉の「STARS」なども手掛けました。
MISIAの「Everything」の編曲者としても知られる冨田ラボ。無限の広がりを感じさせる音作りは、音楽ファンなら必ず聴かなければなりません。松任谷由実やハナレグミなど様々なゲストミュージシャンを迎えCDをリリースしていますが、ceroのボーカルの高城昌平も最新作やライブに参加しています。

まとめ

ジャンルに捉われない無限大の楽曲展開を見せるcero。そのルーツを辿っていけば、ceroの深みに気づくことができると同時にあなたの音楽的素養はさらに高まるはずです!音楽好きから、音楽初心者も虜にするceroの魅力は、彼ら自身がかなりの音楽好きであるからなのです。
東京を中心に活動しているためそれほど全国を回ってはいませんが、フェスの常連となっているcero。テレビ出演を機に知名度は益々上がってきているので、メインステージに立つ日はそう遠くありません。今のうちに知っておかないと遅れちゃいますよ!

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