湯木慧とは 音楽だけに留まらない彼女のアーティスト活動の原点に迫る

 

おすすめアルバム紹介

Prologue

湯木慧記念すべきファーストミニアルバム。非流通品で、ライブ会場あるいは通販でのみ手に入れる事ができます。

アコースティックサウンドがベースですが、フォーキーな雰囲気は少なくメロディーは歌謡ポップ、コード展開はロック調のシンプルな曲が多いです。とは言っても曲ごとにそれぞれ特徴が浮き立っており、差別化が図れているのでアルバムを通して飽きてしまう事はありません。

ウォーキングベースが展開しジャジーな印象もある「egoism」や、アコースティックにロックサウンドが絡みつくように走る「only my life」などダウナー系の曲がある一方で、「涙スキップ」など爽やかで素直なアコースティックの楽曲もあります。アルバム全体のコンセプトを決めて各楽曲を制作したというよりは、現段階の湯木慧をすべて詰め込んでとにかく表現してみたという印象の楽曲群です。試行錯誤の見える粗削りなサウンドと思える方もいるかもしれませんが、むき出しであるが故に曲には勢いがあり、歌詞には強い説得力があります。彼女の出発点を知る上で重要な位置にあるアルバムと言えますね。

 

EPILOGUE

ファーストシングル「記憶」を挟んで発売されたセカンドアルバムです。こちらも会場、通販のみの未流通品となっています。

前回のアルバムに比べて歌のピッチが安定し、聴きやすくなった印象ですね。演奏も従来のアコースティック主体の曲だけでなく、ピアノサウンドを強調した曲もあり、表現の幅が広がっています。全体的に明るい楽曲が多いですが、「ヒガンバナ」など切ないサウンドも健在です。

最新アルバム「決めるのは“今の僕”、生きるのは“明後日の僕ら” [ 湯木慧 ]」の収録曲や評価はこちら

おすすめ曲

涙スキップ

アコースティック演奏のみのシンプルな構成ですが、彼女の代表曲として人気のある楽曲です。辛い事があっても前向きに前進していく心情を描いた歌詞は、不安と若さと純粋なパワーに溢れ、とても魅力があります。歌詞の特徴の項目で技巧的な歌詞の書き方はあまりしないと書きましたが、サビにおけるある一音の繰り返しは、良いアクセントとなっており、歌に詩を落とし込んだ時に聴きやすくする工夫はしっかりと為されています。

 

ヒガンバナ

マイナーコードに昭和歌謡を想起させるメロディーが絡む印象的な歌です。彼女の曲では珍しく、ハイトーンを強調した勢いのあるヴォーカルを聴く事ができます。1stアルバムに比べて、こういった曲がすんなりと歌いこなせるようになったあたりに、彼女の成長を感じる事ができますね。

 

人間様

初めての打ち込みと紹介されていますが、次々と塗り重ねるように音が重なっていく楽曲です。打ち込みのはずなのですが、曲中明らかにリズムが遅くなる部分があったり、楽器数が突然増えたり、リズムに微妙なズレがあったりと、かなりカオスな編集です。初めてだからなのか、狙って行われたフェイクなのかは分かりませんが、この混沌とした未完成なイメージが、自己批判、他者批判を含んだ鋭い歌詞の内容と相まって非常に印象に残ります。