おすすめしたいアルバムは「プププランド/Wake Up & The Light My Fire(CD)」という1枚。このアルバムを聴くと昭和や昔をしみじみと思い出します。帰りたいなと。個人的に好きな曲は”最後の歌”。1960,1970年代の景気は上がり幸せになりつつある世の中で、じゃあ自分自身は満ち足りているんだろうかと自問する気持ちと、幸せを噛み締める気持ちが混在したような暖かい歌です。
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CHAI
日本の4ピースガールズロックバンド、CHAI。迫力のある音と可愛げのあるパワフルな歌声、独特な脱力感、全てが中毒性を纏い一度掴んだら離しません。等身大の彼女達が作り出す世界観は良い意味での手作り感を感じさせ、唯一無二の存在であり見るものを飽きさせないでしょう。かっこよくて可愛くて強い。そのバンドイメージは世の女の子達の新しいカリスマとして受け入られると思います。手の届かないような美女ではなく、どこにでもいるような女の子達が魔法にかかったように楽器を持ちかっこよく演奏し始める。ギャップが重なっているバンドです。
「NEOかわいい」を自称する彼女たち、実際このジャンルを確立できるのは彼女達しかいないでしょう。コンプレックスこそが武器になるということを曲を通して教えくれるようなバンドです。
おすすめしたいアルバムは「ほめごろシリーズ [ CHAI ]」。3曲目の”ボーイズ・セコ・メン”ではイントロのかっこよさで一気に心を掴み、キャッチーな歌詞やメロディ、バキバキな楽器の音は何度も聞きたくなる中毒性があります。5曲目の”sayonara Complex”では心地の良いサウンド、優しくて少し切ない曲はバンドとしての幅も感じさせます。2017年10月25日リリースの初のフルアルバムも彼女達の魅力がいっぱい詰まっていると思うので大注目です。
vivid undress
ボーカルとドラムが女性、ギター・ベース・キーボードが男性の5ピース邦ロックバンド、ヴィヴィット・アンドレス。1度聴いたら忘れられないハイトーンな歌声が印象的なバンドです。更にそのボーカルの裏に複雑で美しいメロディを奏でる鍵盤の音がまた耳を離しません。大きくこの2つが他のバンドにはないヴィヴィット・アンドレスの個性でしょう。
そんなヴィヴィット・アンドレスのオススメのアルバムは「ENDLESS [ vivid undress ]」。ミニアルバムではあるのですが、バリエーションが豊富で飽きることなく、物足りないこともないちょうど良いバランスに仕上がっています。曲調のバリエーションもさることながら、ボーカルのキイラが書く歌詞もリスナーを飽きさせない要因になっていると感じます。浮世離れした抽象的な歌詞もあれば、俗世間らしい歌詞もあるといったバリエーションがあります。
このアルバムで特におすすめしたい曲は”ウララ”。この曲の中でも「下北沢」「バイト」「烏龍ハイ」など日常的な言葉があるのですが、これらのおかげで情景が浮かびやすくなります。そこに切ないメロディが相まって、気付いた時には歌に自分の感情を投影していました。感傷的な気持ちになる美しい曲。疾走感のある曲もありますが、切ない感傷的な曲も強いのはキーボードのいるバンドならではだと思います。
このような一曲一曲のクオリティが高く個性的な曲がヴィヴィット・アンドレスの強みでしょう。
jizue
ジズーは2006年に結成されたインストゥルメンタルバンド。
2017年秋、ビクターエンターテイメントからメジャーデビューが決まったジズーのファーストアルバム「Bookshelf [ jizue ]」は、ジズー初のフルアルバムでありながらも他とは一線を置いた、個性的なアルバムに仕上がっています。
ジズーは歌声を、声ではなく楽器で発し、1曲ごとに異なる物語性でリスナーの心をつかみます。
ファーストにして、楽器でメッセージを力強く発しているジズーのこのアルバムは、まるで全てを熟知したかのような重さ、そして流れるように綺麗なメロディー性を感じることができます。
サウンドは既にベテランの域に達したアーティストのようなクオリティ、聴く者を虜にさせます。そして、リスナーの心を掴み、独自の世界観に引き込んで離しません。
全体としての音楽性も綺麗でまとまりがあり、歌詞がなくても、楽器のみでも、奏でられるその音楽から歌詞が聴こえてくるようです。また、歌詞がなく音だけの表現は、そこに声は重要ではなく、表現するために大切なのは、気持ちであると教えてくれているようにも感じます。歌詞が無いということから、音楽に国境や人種などは何も関係なく、音楽は世界中の平和を繋ぐ架け橋になる、ということも教えてくれているように思います。