セイキマツは1982年に結成されたへヴィメタル、ハードロックバンド。
続いて、現在ではテレビ番組でもその姿を見られるようになった聖飢魔IIから1枚紹介したいと思います。1986年に発表された3枚目のアルバム「地獄より愛をこめて [ 聖飢魔2 ]」、悪魔用語では第三大経典と言わねばなりません。前アルバムまでは若干バラエティ色の濃い構成になっていましたが、この作品ではメタル色の前面に出た楽曲”DEATH LAND”から始まり、それまでの「本当に音楽やってんの?」というイメージを払拭する一枚に仕上がっています。
シングルカットされた”アダムの林檎”でのデーモン閣下のハイトーンボーカルは圧巻、ギターソロを担当しているジェイル大橋の超絶テクニックに驚かされっぱなしです。見た目がキワモノと思わせておいて、音楽の方は極めて真面目にやっているというギャップが堪りません。
1999年にバンドは解散していますが、20,25,30周年と期間限定で復活を果たし、全国でライブ(ミサ)をすれば大盛況を収めるなど未だその人気は衰えを知りません。
目次
BLUE BLOOD – X JAPAN
邦ロックを語る上では欠かせないジャンル、ヴィジュアル系ロック。一説には1970年代にイギリスを中心に流行したグラムロックがその源流とも言われていますが、イギリスにはない奇抜な服装やメイク、音楽性は日本独自のものと言えるでしょう。ここからは、唯一日本から生まれたロックとも言われるヴィジュアル系ロックから、数枚の名盤を紹介したいと思います。
まずは、X JAPAN。エックス・ジャパンは1982年に活動を開始したヴィジュアル系ロックバンド。
先ほど、ヴィジュアル系ロックは日本から生まれた、と紹介しましたが、そのヴィジュアル系ロックの生みの親がこのX JAPANと言われています。(あくまで定説であり、諸説あります。X JAPANを始祖とする場合、メンバーのhideがX JAPANのキャッチフレーズとして唱えた「PSYCHEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK」が由来します。)
日本のロックシーンにおいて、熱狂的なファンと多大なマーケットを誇るヴィジュアル系シーン。その先駆者として名を刻んだX JAPAN。彼らのデビュー当時、それまで海外のスラッシュメタルバンドの専売特許であった高速で連打されるバスドラムと16ビートで刻まれ続けるギターリフは日本のロックシーン、ついにはお茶の間までに衝撃を与えました。
今回はX JAPANがまだ「X」として活動していた時代を知らないリスナーに、メジャーデビューアルバムである「BLUE BLOOD [ X ]」をおススメします。
とてつもなく速いBPMに乗って繰り出されるサウンドに被さるTOSHIのハイトーンヴォーカルは、他のジャパニーズ・ロックバンドとは一線を画した最高にアグレッシブなアルバムに仕上がっており、「ジャパメタ」の凄さ、素晴らしさを存分に感じてもらえる1枚に仕上がっています。
LUNA SEA – LUNA SEA
ルナシーは1989年神奈川県にて活動を開始したヴィジュアル系ロックバンド。
現在は既に確立されたヴィジュアル系シーンの先駆者として、最もサウンド面での功績を残したバンドの1つとしてLUNA SEAが挙げられるでしょう。
LUNA SEAの出現後、まるで後から続くように模倣したバンドや影響を受けたバンドが出現し、当時はもはやLUNA SEAの影響を受けていないバンドを探す方が難しいのではないかと感じたほど、という時代もあったほどです。
爆発的なセールスを誇ったアルバム「MOTHER」が名盤との呼び声も多く聞こえてきますが、今回は敢えてインディーズ版である「LUNA SEA」をおすすめします。
当時のヴィジュアル系ロックの代名詞と呼ばれるほどだった、コーラスなどの空間系エフェクトを多用した「妖しげなギターサウンド」と、ドラムが叩きだす「跳ねる様なリズム」の相乗効果は、従来のロックを何倍も素晴らしいLUNA SEAサウンドに仕上げており、まさしく「大御所の軌跡」という偉大さを感じさせてくれると思います。
CORKSCREW – 黒夢
クロユメは1991年岐阜県にて結成されたヴィジュアル系ロックバンド。
「ヴィジュアル系」と呼ばれるシーンにて、インディーズ時代からの活動を続けてきた黒夢。
彼らは日本のヴィジュアル系バンドという、このジャンルを知らない方にとっては固定観念の強いジャンルの中でも、最も変化を続けてきたバンドでしょう。
その中でも、最も彼らの「変化」が感じられるアルバムこそ「CORKSCREW」。
まず一聴して驚くのが、今までのヴィジュアル系ロックでは聞くことができなかったガレージパンクの様なドラムサウンド。無造作に叩かれたようなハイテンションなスネアの音が、このアルバムのパンキッシュな楽曲に一層彩りを与えていることを感じてもらえるでしょう。
ギターサウンド面に関しても、それまでヴィジュアル系の特徴であった空間系エフェクト、妖艶な響きを控えた「ストレートなディストーションサウンド」へと変化を遂げており、これまでの黒夢ファンの期待をいい結果で裏切る作品へと仕上がっています。
ヴィジュアル系ロックというジャンルに少し違和感を覚えるリスナーの方に聞いていただきたい1枚です。
DUNE – L’Arc~en~Ciel
ラルクアンシエルは1991年大阪にて活動を開始したロックバンド。
L’Arc〜en〜Cielは現在、国民的なロックバンドとして世間に周知されていますが、デビュー当初から2000年ほどまではかなり尖ったバンドとして知られていました。
音楽としても、今ではどちらかというとポップロック寄りの、万人に親しみやすいロック、キャッチーなメロディで誰にでも歌いやすい楽曲を多くリリースしていますが、昔のL’Arc〜en〜Cielはボーカル・hydeの歌い方により一層クセがあり、楽曲としてもダークなものがほとんどでした。
見た目としても、ここまで紹介しているヴィジュアル系のような妖艶なファッションに化粧をしていた時期もありました。ただ、当時の彼らは自らの音楽をヴィジュアル系と思って欲しくなかったのか、テレビにて一悶着を起こしたことも今では懐かしいです(詳しく知りたい方は「L’Arc〜en〜Ciel 爆笑問題」で検索してみてください)。
そんなL’Arc〜en〜Cielの少し荒々しかった時代にリリースした初のオリジナルアルバムが「DUNE」。最近リリースしている楽曲からは考えられないほどダークで、妖艶で、不思議な魅力を持っている曲ばかりが収録されています。
中でも聞いていただきたい楽曲は”Voice”、”DUNE”、”As if in a dream”の3曲。特に”As if in a dream”は昔、hyde自身が「これを超える楽曲はいまだに作れていない」。GLAYのTAKUROから「自らが目指していた世界だと感激した」とまで言わしめた楽曲。
「DUNE」の中でもかなり妖艶な楽曲で「まるで夢のよう」という題名にふさわしく浮遊感のある楽曲に仕上がっています。しかし、各楽器やhydeのボーカルは重く深く鳴り響いており、古参ファンにとっては今でも当時のように聞いていられる名曲として知られています。
Growing Up – Hi-STANDARD
ハイスタンダードは1991年に結成されたハードコアパンク、メロディックハードコアバンド。
日本のライブハウスにおいて、ヴィジュアル系とともに1990年代中期から爆発的な人気を誇った「メロコア」と呼ばれるジャンル。
当時は、スケーターファッションやアメカジに身を包んだ若者がライブハウスで暴れ狂うという場面を良く目にしたものでした。
中でも、日本のメロコアシーンの火付け役であり、シーンの中心であったバンドこそHi-STANDARDであると言えるでしょう。
今回、数あるHi-STANDARDのアルバムの中でも特にオススメしたいのはファーストフルアルバムである「グローイング・アップ [ Hi-STANDARD ]」。
メロコア黎明期である1995年、最初にこのアルバムを聴いた時は、正直国内のバンドだと思いませんでした。結果的に海外にて30万枚を売り上げていることからも、海外にも通用するエッセンスを多く取り入れていることがわかります。