『シーラカンス』
「アルバムで一Vampire Weekend「Campus」や「Cousins」に初期XTCをたした感じで作ったのですが、僕らがやると良い感じに脱力感のある仕上がりになりました。」とのこと。
XTCは、1976年結成のイングランドのロックバンド。スタンダードなロックからアングラなロックまで幅広い音楽を吸収しながらオルタナティブなポップサウンドを展開し、後世のアーティストに多大な影響を与えた伝説的なバンドです。
楽曲「シーラカンス」内でもポップな中にもひねったアレンジをどんどん加えていくXTCの特徴はもちろん出ているのですが、個人的にはうねまわるベース、ラフながらもノリの良いキャッチーなサウンドから、「RANCID」を強く想像してしまいます。
『boat club』
nico いわく「当時メンバーだったシンセ担当とバンドTennisやMagic Kidsにハマっていてできた曲。ストレートな曲展開を嫌ってあれこれ詰め込んだ結果、これまた脱力感のある曲になりました。しかし当時のバンドは今でも大好きです。今Magic Kidsとか活動してるのかな。」とのこと。
Tennisは、アメリカのインディーポップバンド。夫婦のデュオを中心に構成され、60年代を彷彿とさせるオールドなポップサウンドが魅力です。Magic Kidsも同じくオールドなポップサウンドが光るアメリカのインディーポップバンドです。共通しているのは、時代を経てもセンスを感じさせるメロディーセンスでしょうか。
『ワギャンのランド』
nicoいわく「最初リードのフレーズはシンセだったんですが、ギターに変更したところHaircut 100やOrange JuiceをNUMBER GIRLがカバーしてるような曲になりました。アルバムでギターロックって感じのはこれだけです」とのこと。
Haircut100は1980年結成のイギリスのロックバンドです。パンクロックから派生したジャンルの一つであるニューウェイブを意識したサウンドを特徴とし、デビューシングル「Favourite Shirts」がいきなり全英チャート4位を記録しています。その後も数作のヒットシングルを発売しますが、その後は売り上げが伸びず、わずか4年の活動期間で解散しています。そのサウンドはとてもさわやかでキャッチーです。一方で、パンク特有の演奏のラフさも含んでおり、そんな所も魅力のバンドですね。
Orange juiceは、1979年結成のスコットランドのバンドです。ポストパンクあるいはニューウェイブの歴史を語る上では、欠かせないバンドと言えます。アレンジがかなり独特で、初期衝動をそのまま音楽にしたような初期のパンクとは、明らかに一線を画す音楽性です。繊細な演奏ではありませんが、ひねったメロディーライン、コーラスの多用、語りかけるようなエドコリンズのヴォーカルなど、今までのパンクに無かった要素が見え、聴くほどに味わい深くなるバンドです。
NUMBER GIRLは、向井秀徳を中心に1995年に結成されたオルタナティブロックバンドです(2002年に解散)。実験性に溢れた鋭いギターロックで当時のロックシーンに衝撃を与え、解散した今もなお影響を公言するアーティストが数多く存在します。
ワギャンのランドも、nicoが「アルバムでギターロックって感じなのはこれだけです」と語る通り、ギターサウンドを強調した音作りとなっています。ナンバーガールというには、音が軽快過ぎる気もしますが・・・、あくまでナンバーガールがカバーしている、という体なのでこれで正解なのかもしれません。
『body and soul』
「曲のイメージとして、前半はducktailsのようなUSインディ~後半はQ AND NOT Uのような感じ。最後のベースフレーズがOrange Juice「tender object」のラストっぽくて好きです」
ducktailsは、2006年結成のアメリカのインディーロックバンドです。アンビエントミュージックとも形容されるその音楽性は、曲中の展開が少なく一定の旋律をひたすらに繰り返すループの要素を強く含みます。静かに刻まれる美しい音色の数々は、同じ展開の中でもだれる事はなく、ときに神秘的ですらあります。
Q AND NOT Uは、1998年結成のアメリカのポストハードコアバンドです。3ピースという少人数の編成ながらも、楽曲ごとにガラリと雰囲気を変化させ、かつポップに仕上げるセンスは秀逸です。
body and soulでは、ducktailsの中性的な雰囲気とQ AND NOT Uの多様性のある音楽性を日本風の味付けでキャッチーに仕上げた印象ですね。
この中でも特におすすめしたい曲は「恋するビルマーレイ」「シーラカンス」です。
1stアルバム「恋するビルマーレイ [ LADY FLASH ]」の詳細や評価はこちら
影響を受けたアーティスト
Born Ruffians
メンバー
ルーク・ラロンド(Vo.)
ミッチ・デロージャー(Ba.)
スティーヴ・アムラン(Dr.)
アルバムの項でも紹介しましたが、nicoが「影響を受けたアーティストは?」という質問に対して真っ先に名前を挙げるアーティストです。様々なアーティストの特徴を楽曲内に取り込むLADY FLASHですが、「今のメンバーになる前からBorn Ruffiansは一つのキーワードでした」とnicoが語る通り、その中でも別格の影響力を持っているようですね。
おすすめ曲「Needle」
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