TOKYO HEALTH CLUBとは 独特なリリックでリスナーを魅了する新世代HIPHOPクルーをご紹介

1995年、日本語ラップシーンにおいて大きな出来事が起こります。当時、渋谷の街は大騒然、B-boy達はその鼻息を荒くし、毎週末の夜を楽しんでいました。
大きな出来事とは2つ、BUDDHA BRANDがアメリカ合衆国から帰国したこと、LAMP EYEが「証言」を発表したことです。
「証言」は、RINO,YOU THE ROCK,G.K.MARYAN.ZEEBRA. TWIGY.GAMA.
DEV-LARGE,DJ-YASにより構成された名曲中の名曲、そのレコード発売日、渋谷の街はB-boyで溢れ、レコード店には多くの客が押し寄せていました。
その後、BUDDA BRANDは「人間発電所」を発売。同年7月7日ECDが日比谷野外音楽堂にて「さんぴんCAMP」を開催しました。

1980年代に着火した日本語ヒップホップの火種は、2017年現在も消える事なく輝き続けています。その火種を継承して行く新世代の代表「TOKYO HEALTH CLUB」は真面目に“フェイク”を追求するヒップホップクルーと言えるでしょう。
THCの音楽性をより楽しく聴くには、日本のヒップホップの歴史を知れば数倍楽しくTHCを感じる事ができます。

THCの音楽性

THCの楽曲からは、アメリカの人気HIPHOPグループA Tribe Called Questを感じます。彼らを思わせるようなJAZZYなサウンドは自然とリスナーの耳を魅了し、ナイス&スムースなトラックに絡むJYAJIE,SIKK-O,DULLBOYの3人のライムが曲の主役となって空間を支配します。
個人的に、THCの面白みは韻の踏み方にあります。彼らの楽曲は、リスナーが欲しいところ全てでしっかり韻が踏まれている。SIKK-Oが言う通り「ゲームのような感覚で文学的な言葉遊び」がまさに体現できている構成となっています。
また、私はTHCが今後どのようなアーティストになっていくのかが非常に楽しみです。HIPHOPという言葉が一般的な言葉になって浸透し始めたばかりの今日ですが、まだ多くの日本人はHIPHOPを理解していないように思えます。
音楽に正解、不正解はないのかもしれませんが、最近では明らかにHIPHOPアーティストではないアーティストをHIPHOPアーティストとして紹介したり、口にしたりする事をしばしば見受けられます。
では、どのようにしてHIPHOPとHIPHOPっぽいけどそうではない音楽を聴き分ければ良いのでしょうか?
その全ては、THCの音楽を聴くことによって解消されるでしょう。あやふやでグレーゾーンを好み白と黒をはっきりさせたがらない多くの日本人にこれぞHIPHOPというのをわかってもらえる好材料、それこそが「TOKYO HEALTH CLUB」といえます。

彼らの楽曲は、もうスチャダラパーをも超える勢いと私は考えています。1980年代にアメリカからやってきて、高木完や、いとうせいこうといったパイオニアが切り開いた新しいジャンル、渋谷区宇田川町でCOREを追求し続け今もなお進行中の雷家族やRHYME STERそんな前人のクリエイティブな部分を引き継ぎ、辛すぎず、しょっぱすぎず、甘すぎず、HIPHOPとは RAPとはなんなのかを教えてくれるTHC、ぜひ彼らの今後に期待したいですね。

THCの経歴

2010年、多摩美術大学の同級生であるTSUBAME、SIKK-O、JYAJIE、DULLBOYにより結成。
2013年5月、DJのTSUBAMEが運営する著作権フリーのレーベル、OMAKE CLUBから1stアルバム「プレイ」を発表、限定500枚を発売しわずか3カ月で完売。
2014年、2ndアルバム「HEALTHY」をリリース。同アルバムのキラーチューンである「CITYGIRL」が話題を呼ぶ。
2015年、楽曲「ASA」がJ-WAVEスプリングキャンペーンのラジオCMに起用。
2016年、ヒップホップ・R&Bの専門レーベルであるManhattan Recordsと契約。
6月には、同レーベルよりアルバム「VIBRATION」をリリース。

THCのおすすめ曲、おすすめアルバム

正直、おすすめの曲は全てです。THCが今まで発表してきた全ての曲を聴いて頂きたいです。強いて言うならば、「天竺」「CITY GIRL」がおすすめです。今の所、THCの曲にスチャダラパーの「今夜はブギーバック」のようなクリティカルヒット曲はありません。しかし、全ての曲のレベルが非常に高く違和感なく言葉とトラックが素直に耳に入ってくる曲ばかりです。

2016年6月に発売されたアルバム「VIBRATION」。こちらの2曲目に収録されている「Vibration弱」はTHC節を代表するような曲と感じています。少々暗めにループするビートは日本語ラップの初期を思わせるような雰囲気です。続いて3曲目の「ASA」はポップなリズム感ある爽やかなチューンとなっています。通勤、通学中などに聴くと心がワクワクすること間違いなしです。
多くのHIPHOPヘッズ達が望んだ形の現時点での最終形態、それがTHCなのかもしれない。アルバム「VIBRATION」に収録されている「天竺」は聴いているものの想像力を沸き立たせるようなリリックです。JYAJIEのリリックに「飛んだところに迷い込んだもんだ、肝っ玉試される総本山」というフレーズがありますが、これはかなりのパンチラインです。それこそがまさに天竺。THC自身が今まさに天竺に向かい旅しているのかもしれないですね。
また、先ほどおすすめしたCITY GIRLは7インチ盤のレコードで発売、即完売となりました。曲調はいたってシンプルなループ音、MVも都会の街を歩く女性を後方から追っているだけのシンプルな映像ですが、まさに都会の街を歩きながら聴きたい曲となっています。

THCの最新情報

2017年1月7日: RYAN HEMSWORTH JAPAN TOUR
会場:VISION(渋谷)
OPEN: 22:00
出演:TOKYO HEALTH CLUB / Pa’s Lam System / PARKGOLF / TREKKIE/ TRAX CREW / Tomggg / KiWi and more
前売り:2800円
当日 3500円

2017年1月13日: feel so good! Vol.02
会場:Shibuya duo MUSIC EXCHANGE
OPEN/START:  18:00 /18:30
出演:Lucky Killimanjaro / 仮谷せいら / TOKYO HEALTH CLUB /lyrical school and more
前売り:3000円+ドリンク代
当日:3500円+ドリンク代

2017年1月28日: BAYCAMP201701
会場:川崎CLUB CITTA’+ATTIC
OPEN /START: 15;00 /16;00
出演:Awesome City Club / Wienners / TOKYO HEALTH CLUB / ナードマグネット / フレンズ / 春ねむり / DJ FREE THROW and more
前売り: 3500円+ドリンク代
当日:4000円+ドリンク代