その他、Hump Backにしか創り出せない独特のメロディーが魅力です。気だるい感じで始まりますが、サビに近付くにつれて爽快な歌声とサウンドに引き込まれてしまう曲や、ボーカルの高音の良さを最大限に引き出した曲など、誰も真似のしようがない「女歌」を創り出しています。曲冒頭は脱力して始まるのに、だんだんとメンバー全員が頭を振り回して演奏したり、脱力と全力の組み合わせたパフォーマンスがより楽曲をハイセンスなものにしています。
独特のファッションとルックスでいて、音と言葉のセンスを振りかざすクールなバンドなので、一度聴くときっとハマってしまう中毒性を孕んだ注目のガールズバンドです。
目次
Emily likes tennis
エミリーライクステニスは2008年に結成されたプログレッシブロックバンドです。
Emilly likes tennisはまだあまり知られているバンドではないかもしれませんが、最近は深夜番組でも活躍するアイドルとも対バンするなど、じわじわと人気と知名度を上げているバンドです。彼らのジャンルはプログレッシブロックという、ロックの中でもなかなか知る機会のないジャンルですが、その型破りなライブがとにかく面白いバンドです。
プログレの特徴である曲中の展開数も多く、演奏もかっこいいのですが、彼ら自身、ライブや音楽性の比重は“面白さ”に置いているといえます。最新のアルバムも「全業オープン [ Emily likes tennis ]」というタイトル、CDジャケットのデザインからも一筋縄ではいかない雰囲気が全面に出ています。そのジャケット等のアートワークを担当するボーカルは、段ボールをかぶってステージに登場することが多く、ゾウ、鳥、キリン、サメ、と曲に登場する動物たちを自作しており全身で笑いを提供しています。
のみならず、その音楽も、ハードコア調らしいものからパンク的なもの、歌謡曲、ラップと面白そうなものは貪欲に取り入れています。MCはもはや曲の一部で、毎回ストーリー性のある内容をマイナーチェンジしながら完成度の高い笑劇をみせてくれます。歌詞も可笑しいのですが、パフォーマンスも面白く、ボーカルのみならず演奏するメンバーも笑いに対して協力的です。
それでも単なるコミックバンドだと片づけられないのは、演奏の上手さと曲のかっこよさ故でしょう。そして、徹底してB級を追及する姿は、もはやサイコパスなのではないかと思うほど。気迫と笑いに満ちたプログレをぜひ体験してもらいたいバンドです。
嘘とカメレオン
嘘とカメレオン、通称嘘カメは2014年に結成された邦ロックバンド。東京・下北沢を中心に活動しています。
曲の雰囲気に合わせて歌い方を自由自在に変えられるチャムがボーカルの「嘘とカメレオン」が最初のおすすめ。1枚目のアルバム「嘘とカメレオン/予想は嘘よ(CD)」に収録されている”されど奇術師は賽を振る”では、ニコニコ動画などで流行っているヴォーカロイドのような淡々とした歌い方でしたが、2ndMVの”N氏について”では激しい発声を披露しています。
今日のバンドでは作曲しているメンバーが同じなためか、どれも似たような曲に聴こえると言われているバンドが多い印象ですが、嘘とカメレオンはその部類には入りません。すべての曲に違った魅力があります。もちろん、セールスポイントはボーカルだけではありません。全体を通して素晴らしい曲ばかりですが、イントロから「嘘カメワールド」に引き込んでくる曲ばかりです。そしてAメロへのつなぎ方が絶妙です。楽曲ごとに雰囲気が異なるのに、全ての曲になぜか嘘とカメレオン要素が盛り込まれていることが彼らの魅力でしょう。
楽器隊の個々の演奏技術も高く、とてもじゃありませんがインディーズバンドとは思えません。難しいベースラインを暴れながら弾いています。ライブパフォーマンスも凄まじいもので、リードギタリストとベーシストが常に荒ぶっています。メンバーいわくライブではみんなが「俺が主役だ!」と思っているそうで、その熱がライブを見ていると伝わってきます。音源、ライブ、どれをとっても上質なバンドなので、ぜひ9月に再販される1stアルバムを手に取って欲しいです。
夜の本気ダンス
夜の本気ダンスは2008年から活動している4ピース邦ロックバンド。京都府にて結成後、全国に活動の幅を拡げました。
このバンドは2017年フジテレビ系で放送されているドラマのエンディング曲”TAKE MY HAND”を演奏しています。とても軽快なグルーヴ感がドラマのイメージにマッチしており、またサウンドと歌声の相性も合っています。
そのドラマが彼らを知るきっかけとなった方は多いのではないでしょうか。筆者も恥ずかしながらそのうちの1人でした。なので、もちろん彼らがどういう活動をしていたのかは全く知りませんでした。バンド名はもちろん、メンバーの構成すら聞いた事がありませんでしたが、調べてみると2016年に同系の朝の情報番組にて今年ブレイクしそうなバンドで一位に選ばれていた逸材。
彼らの演奏を聴いてみると、小気味良く奏でられるリズムにブリブリした音のベースが絶妙に混ざり合っており、その上を水を得た魚の如くギター音が無尽蔵に飛び跳ね、そこに軽快な歌声が更に乗る事で一つの世界観が完成しています。夜の本気ダンスと言うだけあり、思わず踊りだしたくなるサウンドとリズム感がとても心地良く、どうしてもっと早く知る事が出来なかったのかと残念な気持ちになった程でした。
2016年に発布されている2ndアルバム「DANCEABLE [ 夜の本気ダンス ]」を聞けば、このバンドに魅了にされてしまうと思います。何を今更と思われる方もいるかもしれませんが、彼らの本当の意味でのブレイクは、これからでありもっと広い世代に浸透していけばそうなるのも時間の問題でしょう。
WOMAN
WOMANは2017年に活動を開始した5ピースバンド。ジャンル・ジェンダーにとらわれない洗練された感性をモットーとし音楽活動をしています。
WOMANの音楽は他の邦楽バンドにはない雰囲気を持っています。ハードロックのようにツーバスでドラムを叩きまくったりギターを歪ませたりするのではなく、またハードロックに比べて大衆向けなポップロックとも違います。一聴するとエレクトロニクスですが、今まで聞いたことのあるエレクトロニクスの音とはまたひと味もふた味も異なる音が鳴り響く最先端のバンドです。
また、もう一つWOMANの特長をあげるとすれば、ボーカルの声でしょう。非常に心地よい歌声を持っており聞いてて飽きないことはもちろん、むしろ中毒性が非常に高く何度でも聞きたくなる声です。ロックバンドサウンドは、例え好きな音楽であっても朝聞くとうるさいなと感じたり、逆に夜に聞くと眠れないと感じてしまうことが多いと思いますが、WOMANの音楽はいつ、どんな時でも安定して聞くことができます。
世界観がしっかりしており、方向性がブレないバンドがあると思いますが、彼らもそれに該当するかと思います。ただ、そのようなバンドに多いのが個性が強すぎてコアなファンしかつかないという現象。しかし、WOMANはブレないバンドながら誰にでも気軽にオススメできるバンドではないかと思います。
バンドメンバー自身に派手な見た目などの良い意味で個性がないことから、インディーズバンドに興味があるという初心者の方でも入り込みやすいと思われます。機会があれば聞いてみてください。
Age Factory
エイジ・ファクトリーは2010年に奈良にて結成された3ピースオルタナティヴロックバンド。
まず、彼らAge Factoryの曲を耳にして印象に残るのが、ハスキーなボーカル清水エイスケの歌声でしょう。
まるで喉の奥から絞りだしているかのような魂を叫ぶような歌い方が、聴いているリスナーの心を揺さぶります。
また、唯一無二のその声に乗せて歌い上げるその歌詞は、ボーカル自身の経験や心の内を語る内容のものが多く、力一杯に歌う声に涙を誘われることもある程です。
荒っぽさもある歌いかたの中、心の繊細さも感じられまさにザ・ロックバンドと言うに相応しいグループです。
もちろん、音源で聴くAge Factoryの曲も素敵なのですが、この記事をご覧になった皆さんにはぜひライブを見に行って欲しいバンドです。音源だけでは伝わりきらない、熱を痛いくらいひしひしと彼らの生き様を感じることができます。
ボーカルのハスキーボイスに、爆音で重なるドラム、2者に負けないベース・ギターの音。メンバー3人の音楽に対する熱い心が、ライブハウスに満ち渡ります。
最近はおしゃれなクラブミュージックや、明るいテンポの良い曲を歌うバンドが流行ることの多い印象ですが、Age Factryのような、男くさいロックバンドらしいグループも台頭しても良いのではないでしょうか。特に、青春真っ只中、葛藤に溢れる学生の方は好きになってくれるかと思います。
まだ数多くのCDはリリースされていませんが、おすすめのアルバムは「LOVE [ Age Factory ]」を挙げます。
CODE AXE
長崎県を中心に活動しているメロディック・ハードコアバンド、コードアックス。長崎という九州の中でも端の県出身のバンドながら東京・大阪・名古屋等、全国を中心に活動中のバンドです。
ジャンルとしては、メロディック・ハードコアや高速メロディックと呼ばれる現代としてはマイナーなジャンルですが、そのジャンルだけに留まらず、日本ではwaterweedや初期FACT、外国ではNOFXやNOUSEFORANAME等の哀愁感や激情感を出しつつ、時にはシャウトや急激なリズムチェンジ等を行い、幅の広さを感じさせるバンドです。
今年2017年5月20日には、ファーストEP「THE ORIGIN」を自主製作・リリースしツアー、かなりの数のツアーを行い、2017年7月15日には地元の佐世保DAZZLE PAZZLEにてツアーファイナルを行い大成功を収めています。また、自身のツアーが終わった後も精力的な活動を行い、熊本のメロディック・ハードコアバンドNORVERや大阪のバンドwaterweedのツアーサポートにも参加しています。
一方で、地元長崎でも定期的に自主企画 「BATTLE AXE」を行ったり、長崎のWEAKEND HEROESの企画に参加したりと、地元の音楽シーンの発展に貢献している珍しいバンドです。
九州や長崎を中止に活動するバンドながら、日本全国、海外に通用するであろう数少ないバンドであると感じています。
神はサイコロを振らない
神はサイコロを降らないは2015年に結成された4ピースギターロックバンド。
今回おすすめしたいアルバムは彼らのファーストミニアルバム「anfang [ 神はサイコロを振らない ]」。このアルバムは、まだメジャーデビューしていない彼らの初めてのアルバムです。
彼らの結成は2015年であり結成間もないのにもかかわらず、このアルバムに収録されている楽曲の数々には新人とは思えないまとまりがあり、何よりメロディーが心にしみ込んでくるような音を奏でています。
リスナーにとって新しい音楽を聞くということ、さらに言えば好きな音楽を見つけるということは、案外時間のかかることだと思います。友人に勧められたけど期待外れだった、レンタルショップで推されていたけど好みじゃなかった、1曲は好きだったけど他の曲が好みではなった、誰しもが1度は経験したことだと思います。
それだけ作りこまれていて、1番の魅力を感じたのはボーカルの声が透明で、一種の子守歌のような、でも激しく揺さぶられる部分もありいろんな面をもっているところです。
悪い意味ではなく、良い意味で裏切られました。バンドと言ったらひたすら激しいのかと思いますが、それは個々のバンドの方向性で、彼らの作る曲は魂がこもっていて聞いていて気持ちがいいです。
これからの未来に向かって突き進む若い力を感じました。
いろんな面を持っている彼らだからこそ、これからの人生に期待したいです。
人生に迷っている人がいたら聞いたら背中を押される曲ばかりです。”
新しい音楽を聴くのには抵抗がある方も多いかと思いますが、彼らの音楽は何の抵抗もなくすんなり入ってきてくれました。
My Hair is Bad
マイ・ヘアー・イズ・バッドは2008年に新潟県にて活動を開始したスリーピースロックバンド。